「北陸DC」復興原動力に 新田知事、観光再生へ意欲

富山新聞政経文化懇話会で講演する新田知事=富山市内のホテル

  ●富山新聞政経文化懇で講演

 富山県の新田八朗知事は7日、富山市内で開かれた富山新聞政経文化懇話会2月例会で講演し、10~12月に北陸三県で実施される大型観光企画「北陸デスティネーションキャンペーン(DC)」を、能登半島地震からの復興に向けた原動力に位置付ける考えを示した。JRが総力を挙げ、大勢の観光客が富山に送り込まれると見通し「最大限の力でフル活用し、観光を振興したい」と強調した。

 DCはJRが地方自治体、観光事業者と一体で実施する大型観光企画で、期間中、富山県内では北陸の魅力を発信するイベントを開催する予定となっている。

 新田知事は、3月16日の北陸新幹線敦賀開業を受け、北陸DCが企画されたと指摘。「JRグループが北陸に送客する、ありがたい企画で、使わない手はない」と期待を込めた。

 新田知事は県内の能登半島地震での人的、住宅被害を説明。10月までにどこまで復興できるかは見通せないとした上で、北陸DCを足掛かりに観光業の復興を進める意欲を示した。

 新田知事は能登半島地震に関し、1月補正予算で約112億円、2月補正予算で約68億円をそれぞれ専決処分したと説明。被害の甚大な石川県に対してもできるだけの支援を行うと力を込めた。

 引き続き懇親会が開かれ、砂塚隆広北國新聞社社長があいさつし、藤井裕久富山市長の発声で乾杯し、懇談した。武隈義一黒部市長、水野達夫滑川市長、渡辺光舟橋村長、金井豊北陸電力会長、延野源正JA県中央会長、中井敏郎東亜薬品会長らが出席した。

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