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高校女子硬式野球の強豪校、仙台市のクラーク記念国際高仙台キャンパス。ともに2年の清野利理子さん(17)=山形市、菊地夏帆さん(17)=中山町=は主力メンバーとしてチームをけん引する。昨年のユース大会を全国制覇し、目指すは春の選抜、夏の選手権との3冠だ。2人とも始発の列車で通学し、熱い毎日を送っている。
実戦形式のノックが三塁線を襲う。清野さんが横っ飛びで好捕すると、チームが活気づいた。ムードメーカーで、セカンドやショートもこなす「守備の人」だったが、打撃も昨夏から急に伸びた。
菊地さんは左のスラッガー。バットコントロールが巧みで、小柄ながら長距離砲をかっ飛ばす。1年からクリーンアップを任され、足も速い。その半面「人見知りなの…」と性格を自己診断する。
2人とも小学時代に野球を始め、中学校では男子に交じっての部活とクラブチームを掛け持った。日本のお家芸ソフトボールには目もくれなかった。「やるなら強いところで」と、プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスと連携し、指導体制が整ったクラークを進学先に選んだ。
1、2年生が出場するユース大会は昨年8月に開催され、クラークは直近の3大会を制していた神戸弘陵(兵庫県)を準々決勝で撃破して勢いに乗り、史上最多52校の頂点に立った。東北勢の優勝は初めて。両選手とも決勝の福井工大福井戦で得点に絡む活躍を見せた。
年をまたぎ、今は3月21日開幕の選抜大会に照準を合わせる。渡辺崇部長(44)は2人について「熱いプレーでウチの絶対的レギュラー」と称し、1年から全国を知る経験値の高さに期待する。
ウエートトレーニングがある日は、午前5時43分の仙山線始発に乗って仙台に。午前は授業、午後は市近郊の球場にバスで向かい練習に打ち込む。下校は7時、帰宅は10時を過ぎることも。土日も練習はある。「大変じゃない?」と聞くと、2人から同じ答えが返ってきた。「日本一を目指しているから」。2冠目を懸けた戦いが待ち遠しい。