水素燃料電池のカギを握る山梨県 脱炭素社会実現に向け、大学で燃料電池の材料を研究

MIRAI

山梨県では、県をあげて水素社会実現に向けて取り組んでいます。甲府市内の巨大な太陽光発電施設で作った電気を使用し、水を水素と酸素に電気分解。大量の水素を製造しています。水素燃料電池のカギを握る、山梨県の取り組みに迫りました。

山梨県が民間企業と共同で運営

太陽光パネル

脱炭素社会実現のカギを握る水素。その水素を地域の活力につなげようとしているのが山梨県です。山梨県甲府市内には、広大な場所に太陽光パネルが設置されています。太陽光パネルで作られた電気は工場に送られ、水を水素と酸素に電気分解するのに使われます。

米倉山電力貯蔵技術研究サイト

再生可能エネルギーによる水素の製造工場「米倉山電力貯蔵技術研究サイト」です。山梨県が民間企業と共同で運営しています。

一般家庭の約100世帯が1日に消費する電力を生み出せる

水素エンジン車の燃料にも使用

製造される水素は1時間あたり300立方メートル。一般家庭約100世帯が1日に消費する電力を生み出せる量です。鈴鹿サーキットを走行した水素エンジン車の燃料にも使われました。

燃料電池の材料の研究に可能性を感じた

山梨大学 飯山明裕博士

山梨大学では約50年前から水素に注目していました。

山梨大学 飯山明裕博士:
「昔、オイルショックがありました。将来技術の1つとして、燃料電池も候補にのぼったんです。そこで“これだ”と」

飯山博士が「これだ」と感じたのが、燃料電池の材料の研究。その成果は企業の新製品の開発などに生かしたい考えです。

燃料電池電動アシスト自転車

さらに燃料電池電動アシスト自転車も。水素燃料電池を搭載し、1回の充填で約100キロの走行が可能です。

「脱炭素でクリーンなエネルギーを使用したい」と語る

山梨大学 飯山博士:
「(水素燃料電池は)リチウムイオン電池ではできない、いろいろな用途が待っています。脱炭素でクリーンなエネルギーとして使っていただきたいなと」

主役は研究機関や民間企業

山梨県 行村さん:
「主役になるのは研究機関や民間企業です。山梨県はそれをしっかり後押しする。そして水素を生んで市場に流れていく。その一連の流れを山梨県から作っていきたいです」

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