ヨーカドー青森、弘前閉店 7、9月めどに 青森県内4店舗、全て撤退

7月をめどに閉店する方針であることが分かったイトーヨーカドー青森店=8日、青森市浜田1丁目
9月をめどに閉店する方針のイトーヨーカドー弘前店=8日、弘前市駅前3丁目

 大型商業施設のイトーヨーカドー青森店(青森市浜田1丁目)が7月をめどに、弘前店(弘前市駅前3丁目)が9月をめどにそれぞれ閉店することが8日、複数の関係者への取材で分かった。親会社のセブン&アイホールディングス(HD)が進める地方の不採算店舗削減の一環とみられる。既に閉店が決まっている五所川原店(五所川原市)、八戸沼館店(八戸市)と合わせ、青森県からヨーカドー全店が撤退する見通しとなった。

 運営するイトーヨーカ堂の幹部が、県内の一部関係者に青森店、弘前店の閉店方針を伝えた。関係者によると、青森店は既に決まっている後継の事業者が従業員を継続雇用し、弘前店は後継テナントに関して調整を進めているとみられる。

 セブン&アイHDの広報担当者は東奥日報の取材に「現状、特に決定した事実はない」と述べた。

 青森店は2000年10月に開店。地上4階建て。1、2階が店舗で、3、4階と屋上が駐車場となっている。開業時は大型の駐車場を備える郊外型の大型店として注目を集めた。現在は周辺に多数の商業施設が集積するとともに住宅街が形成され「浜田地区」として生活とにぎわいの拠点となっている。

 弘前店は1976年10月に開店した。弘南バス(本社弘前市)の旧本社・営業所などがあった土地に同社が建設した「弘南ビル」の核テナントだった。併設のバスターミナルも同時に開業し、長く弘前駅前の顔として市民や買い物客に親しまれてきた。建物は地上8階、地下1階。84年にイトーヨーカ堂に所有権が移り、現在は自社物件となっている。

 イトーヨーカ堂は県内に4店を展開している。五所川原市のショッピングセンター「ELM(エルム)」の五所川原店は今年3月末の閉店が決まっている。八戸市のショッピングセンター「ピアドゥ」の八戸沼館店は8月ごろに閉店する方針が明らかになっている。

 セブン&アイHDは昨年3月、地方の不採算店を中心に国内店舗数を2割超削減する方針を示していた。

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