「科学的根拠で栄養価があるといえば買ってみようという気に」注目の野菜「プチヴェール」生産者が機能性表示を目指す理由

「ストレスの緩和」や「血圧を下げる」など科学的根拠のある機能が表示された機能性表示食品。最近は、野菜でも表示が進んでいますが、機能性が表示されることで私たちや農家にどんなメリットがあるのでしょうか。

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<マックスバリュ沼津南店 高松俊行さん>
「GABAをたくさん配合した商品をまとめて作った売り場」

静岡県沼津市内のスーパーに設けられたのは機能性表示食品のコーナー。さまざまな商品が並びますが、最近、このエリアに仲間入りしたのが地元でとれた「プチヴェール」です。

<プチヴェール生産者 深澤貞博さん>
「葉っぱの根元に生える脇芽。葉っぱの間に出てくる」

沼津市浮島地区の畑で栽培されているプチヴェール。芽キャベツとケールをかけあわせた野菜でいま、旬を迎えています。有機肥料を使い、苦みがないのが特徴というこの地区で栽培されるプチヴェール。2023年12月、地元のJAふじ伊豆によって機能性表示食品に登録されました。狙いは知名度の向上です。

<プチヴェール生産者 深澤貞博さん>
「科学的根拠で栄養価があると言えば、知らない人でも栄養価があれば買ってみようかなという気になると思う」

登録された「癒しのプチヴェール」は、ストレスの緩和や血圧を下げることが期待される「GABA」を含んでいると表示できることになりました。機能性表示食品になるためには、栄養成分など科学的根拠のあるデータを消費者庁に届け出る必要があり一般的に野菜を登録する際、費用は100万円以上、期間は3年ほどかかります。いくつかの手順を踏む必要がありますがそれでも届け出るメリットが農家側にはあるといいます。

<トマト生産者 佐藤光さん>
Qなんというトマト?
「三島ガチトマトというトマトになります。高糖度で、一般的なトマトの2倍くらいのGABAの量になる」

1年ほど前に、機能性表示食品の仲間入りをした「三島ガチトマト」は、一般的なトマトに比べ倍の価格で店頭に並べても売れるそうです。厳しい競争を勝ち抜くためには、機能性表示食品に登録されること必要があると考えたといいます。

<トマト生産者 佐藤光さん>
「いま、いろんなトマトがあるので、その中で特徴のあるトマトを作っていかないとなかなかトマトも飽和している状態なので、差別化を図るためにも機能性は有効な手段になるのではということで取り組んでいる」

農家が積極的に商品開発に臨むことは、わたしたち消費者にとっては選択肢が増えるというメリットがあります。差別化を図りたい生産者による競争はさらに進んでいきそうです。

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