「さわやかさが違う」主役のレモン 地元産に変えたら…大ヒット!下田檸檬ケーキ【しずおか産】

<下田支局 柴田寛人記者>
「これがいま、大人気の『下田檸檬ケーキ』です」

【写真を見る】「さわやかさが違う」主役のレモン 地元産に変えたら…大ヒット!下田檸檬ケーキ【しずおか産】

今回のしずおか産は地元・下田で育ったレモンが入ったレモンケーキです。静岡県下田市の市街地にある和菓子店「味な菓子処しまの」。地元の新聞や口コミで評判が広まり、売上は1日に50個以上です。

<来店客>
「頻繁に。食後のデザートにいつも買っている。いつもだいたい1個か、2個」

<来店客>
「さわやかな感じがとてもいい。夕方に来ていたら、売り切れていた」

<「味な菓子処しまの」店主 島野義正さん>
「まさか檸檬ケーキがここまで…。あれなもんで、ちょっと、正直、戸惑いの方が大きいですね。ちょっと…」

人気に火がついた大きな理由は、主役のレモンを下田産に変えたからです。

渡辺直人さんは下田市田牛の農園で、無農薬のレモンを育てています。以前、野菜を分けていたことが縁で、2023年、レモンの提供を申し出ました。

<はつなみ農園 渡辺直人さん>
「名物になるようなものとか、地域のためになるようなおいしいお菓子とか開発できないかという話をしていた。『(よそから)買っているんだったら、うちのレモンを使ってみない』というのが始まり」

渡辺さんのレモンを使う前、島野さんは市販の国産レモンを使っていました。

<「味な菓子処しまの」店主 島野義正さん>
「酸味が市販のレモンより、やわらかく、酸っぱくはない感じ」

実は、香りの成分は皮の油分にも多く含まれます。無農薬のレモンを使うことで皮を多く利用できます。

すった皮は果汁と生地に練り込み、オーブンで焼き上げます。レモンには皮と果汁に香りがありますが、皮の香りは焼き上げる熱でも飛ぶことはありません。

<「味な菓子処しまの」店主 島野義正さん>
「焼きあがったときよりも味と香りが口の中に広がる。全然、以前のレモンとは違いました」

最後にホワイトチョコレートでコーティングして完成です。

<下田支局 柴田寛人記者>
「レモンのさわやかな風味とチョコレートの甘さが、いいバランスで、おいしいです」

「下田ブランド策定委員会において、優秀な商品として認められたので、認証します」

島野さんのレモンケーキは下田生まれの優れた商品、「下田ブランド」のひとつに選ばれました。

<下田ブランド策定委員会・山田真由美審査委員長>
「さわやかさが違う気がしましたし、次また食べたいという食べ飽きない感じで、レモンは瀬戸内レモンは有名だが、下田レモンを聞いたことは一度もなかったので、今後、ブランド化ができるといいかな」

知名度があがっても、島野さんは下田へ来てもらい、買ってほしいと考えています。

<「味な菓子処しまの」店主 島野義正さん>
「下田の観光客に、(下田が)いいところだというのを分かってもらえれば一番、いいかなと思っております」

下田檸檬ケーキにレモンの香りだけでなく、地元愛も漂わせます。

© 静岡放送株式会社