千代田区 日テレ跡地再開発 “条件付き”可決

千代田区にある日本テレビ本社跡地の再開発計画について、計画の可否を決める区の審議会が開かれ、条件付きで可決されました。ただし、具体的な条件については、今後、協議されることになりました。

千代田区二番町はオフィスビルや飲食店などが並ぶ閑静なエリアです。この一角にあった日本テレビの本社跡地に、現在、高層ビルなどを建設する街の再開発が計画されています。

記者:「こちらが再開発が計画されている土地です。現在は駐車場や公園があります」

この番町エリアは落ち着いた住環境を重視し、建物の高さを60メートル以下に制限されています。しかし再開発計画では、最寄り駅となる麹町駅のバリアフリー化や公園を整備することで制限を緩和できる制度を適用し、高さ80メートルの高層ビルを建設する予定です。

この再開発について近くに住む人は…

近所に住む男性:「なんでそれ(高さ制限緩和)が通るのかというところはある。法律にのっとってやっていただければ」
近所で店を営む女性:「昔みたいににぎやかに、綺麗な街、素敵な街になって欲しい。60だったらちょっと低いかな、せっかく建てるなら立派なものを建てていただきたい。」

この計画の可否を決める千代田区の都市計画審議会が2月8日に開かれ、午後7時ごろに行われた採決で可決4、継続審議5、条件付き可決8で、条件付き可決となりました。委員からは、近所の学校の教育環境を維持することや、将来的なまちづくりの展望などを計画に盛り込むよう求める声も上がっていて、次の審議会までに具体的な条件を決定することになりました。

「条件付き可決」となった日本テレビ本社跡地に高層ビルが建設される再開発計画。経緯をふりかえります。

日本テレビは当初の計画案では、高さ90メートル以下のビルを建てる検討をしていました。ただ、このエリアは落ち着いた住環境を保つためとして、建築物の高さに60メートル以下という制限があり、現在、この場所にある「番町スタジオ」は59.9メートルです。

そこで今回、制限をクリアするために適用しようとしているのが、「再開発等促進区」という制度です。エリア内に広場などの公共施設を整備することを条件に、エリア内で使っていない容積率を利用して、制限を越える高さの建物を建てられる制度で、これを使って、90メートルの高さのビルを建てる計画を立てていました。

しかし、去年7月に区の審議会の協議を経て、千代田区は、開発を進める日本テレビに、制限60メートルの周りの街並みを尊重し、80メートル以下にするよう要請しました。これを受け日本テレビは、計画案を去年11月に修正し、建築物の高さを80メートル以下へ変更しました。

そして2月8日、区の審議会では、「都市計画には賛成だが、条件を練る必要はある」という意見が多くあり、計画を条件付可決として、次の審議会までに、その「条件」を決定することになりました。

では、条件次第ではありますが、現状の計画案ではどういった場所になるのか。建築物は、オフィスと店舗が入る複合ビルとなるほか、地域の交流拠点や防災拠点となる2500平方メートルの広場も整備される予定です。

条件付きで可決された再開発計画の「条件」がどんなものになるのか、さらに議論されることになります。

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