「今度は恩返しを」 3.11被災地区の小学校、能登へ義援金 三川目小(青森・三沢市)

義援金3万円超を集めた三川目小の5年生たち

 能登半島地震の被災者を支援しようと、東日本大震災で津波の被害に遭った青森県三沢市の三川目小学校(江渡勇校長)が3万円超の義援金を集めた。「震災ではいろんな人に助けられた。今度は恩返しを」。厳しい環境に置かれている人を思って集められた善意は、市社会福祉協議会に託された。

 13年前に起きた東日本大震災で、太平洋沿岸の三川目地区では津波により住宅の浸水被害が出た。三川目小の校舎は幸い無事だったものの、漁港倉庫に納められていた伝統芸能「海鳴り太鼓」用の和太鼓が18張り流された。その後、国内外から集まった寄付を元手にして新たな和太鼓を購入。学校の伝統は途絶えることなく、再び演奏できるようになった。

 「みんなに助けてもらった分、何かできないだろうか」。当時、支援を受けたのを伝え聞いていた5年生全7人を中心に、始業式後に募金が始まった。校内だけでなく、近くの温泉や市漁協の直売所などに募金箱を置いて地域住民の協力を募り、2週間で3万3734円を集めた。

 7日、校長室で市社協の山﨑徹事務局長に義援金を渡した5年生のうち、雫石陸斗君(10)は「亡くなっている人も多く、みんなかわいそうに思う。困っている人の力になってほしい」と願った。

 市内では堀口中学校(太田浩之校長)が1月30日、同じように市社協を通じ、義援金を送っている。

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