不審物、サリン、時限爆弾… テロ想定し青森県が3年ぶり図上訓練

青森市内でテロが発生した想定で行われた訓練で、初動対応を確認し合う参加者=8日、県庁

 県は8日、青森市内で化学剤や時限爆弾を使ったテロが発生したとの想定で、国民保護共同図上訓練を行った。国や同市のほか、消防、県警、自衛隊など28機関約130人が参加し、有事の際の初動対応や連携体制を確認した。

 訓練は、テロなどの緊急事態の発生に備え、対処能力の向上を目的に行われ、3年ぶり6回目の開催。これまで実際に現場の動きを確認する「ロールプレーイング方式」で行っていたが、今回は参加者の質疑などを通じて理解を深める「討議型」で実施した。

 今回は▽青森空港などで相次いで不審物を発見▽新県総合運動公園でのスポーツイベントで、化学剤(サリン)が散布される▽テロ集団が潜伏しているとみられる青森港フェリー埠頭(ふとう)で、時限爆弾が爆発-というシナリオで行った。

 県庁の災害対策本部室では、参加した各機関が情報を入手してからの一連の初動対応を発表。応援要請やけが人の救助、住民の避難手順などを確認した。

 訓練終了後、坂本敏昭危機管理局長は「近年の国際情勢を見ると、本県で万が一の事態が起こってもおかしくない。2026年には国スポ・障スポの開催が控えており、油断なく備えを進めたい」と語った。

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