青森県のマグロ大型魚漁獲枠、30.5トン削減 大間などの無報告問題受け

 国際的に漁獲枠が定められているクロマグロ漁で2021年度、大間、奥戸(青森県大間町)、大畑町(むつ市)の3漁協に所属する一部漁船による約90トン分の漁獲量報告義務違反があった問題で、水産庁は8日、水産政策審議会を開き、21年度分の超過量のうち30.5トンを24年度分の青森県の大型魚漁獲枠から削減することを決めた。大型魚の漁獲枠は508.0トンから477.5トンになる。

 県は昨年12月、再調査により21年度の違反数量が計92.2トンに上ったと発表した。このうち、年度内に報告がなかった「報告義務違反」(無報告)は大型魚で85.4トン、小型魚で2.7トン判明した。

 追加報告を受けた水産庁が21年度の青森県漁獲実績を再計算した結果、大型魚は489.7トンの漁獲枠に対し45.2トン超過していた。このうち14.7トンは22年度分の枠から既に差し引かれているため、残りの30.5トンを24年度分の大型魚枠から削減する。23年度分の大型魚の当初漁獲枠506.3トンに比べると28.8トン少なくなる。一方、小型魚の追加分の2.7トンについては、298.6トンの枠内に収まった。

 青森県の追加報告を反映させても、21年度の国全体の大型魚枠6161.9トンを超過することはなかった。

 24年度分の青森県枠から削減する30.5トンは、国の留保枠に繰り入れ、各都道府県に追加配分するための枠の原資に充てる。水産庁によると、5月ごろに行う追加配分に合わせて実際に削減する予定。削減した枠で資源管理することに県も了承しているという。

 クロマグロの漁獲無報告を巡っては、県が19、20年度分でも無報告分があるとみて調査を進めており、年度内に結果を公表する見通し。水産庁の担当者は、無報告が判明した場合、24年度分の漁獲枠をさらに削減する可能性がある-としている。

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