企業課題の解決へ、アイデア披露 芸工大生と県内5社

企業の課題解決につながるアイデアを企業と学生が披露した発表会=山形市・東北芸術工科大

 県内企業の課題を解決するアイデアを企業と学生が考える「デザイン思考イノベーション創出事業」の成果発表会が8日、山形市の東北芸術工科大で開かれた。県内5社の新製品や新事業のアイデアを各社担当者と同大の学生が発表した。

 県工業技術センターと同大などが連携した取り組み。参加企業は昨年7月から専門家のアドバイスを受けて自社のパーパス(社会的存在意義)を探究し、それに基づき新たな事業展開を検討した。学生側は15人が参加し、3人ずつのチームで各社を担当。会社側とパーパスを共有した上で、学生の立場でアイデアを練った。同大の中山ダイスケ学長が学生を指導した。

 東北パイオニア(天童市)は、これまで客層として薄かった若い女性をターゲットにしたブランド力向上策や、社内の人材育成にデザイン思考を活用する計画などを披露。同社を担当した学生チームは、録音した落語を同社の高級スピーカーで聞くことで会社の魅力や強みが伝わるイベントの開催などを提案した。

 栄進鈑金製作所(米沢市)について学生たちは、工作コンテストの開催で会社の認知度向上や技術の幅の拡大につながる構想を発表。ニット製品製造の今間メリヤス(白鷹町)に対しては、プレゼント用のパッケージ商品の開発などを提言した。企業側からは、学生の斬新な発想や気付きに感心する声が上がっていた。

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