汚染源特定へ PFOSとPFOA検出問題 今度は弾薬庫北側で水質調査 在日米軍にも「水質調査実施を」 東広島市

人への有害性が指摘されている有機フッ素化合物が検出された問題で、広島・東広島市は汚染源を特定するため、瀬野川の源流付近などで水質調査を実施しました。

東広島市では、これまでに、瀬野川など3か所で国の暫定指針値を超えるPFOSとPFOAが検出されています。

岡本幸 記者
「前回80倍という値が検出されたのは、このあたりで採水されました。きょうの調査はこの水路沿いとは別に、こちらの山からの水も採水されます。この上流には、弾薬庫が広がっています」

9日の調査は前回、河川で最も高い汚染が確認された場所から上流にさかのぼるようにして、合わせて8か所で行われました。

岡本幸 記者
「今回の調査で、最も弾薬庫に近いのがこの場所です。調査員が採っていた、フェンスの下から流れる湧き水は、敷地内から流れ出ています」

有機フッ素化合物のうちPFOSとPFOAについては、近年、さまざまな毒性が明らかになり、国際的に規制が強化され、国内でも現在では製造や輸入が原則、禁止されています。

東広島市は去年12月、中国四国防衛局を通じて、在日アメリカ軍に川上弾薬庫でのPFOSとPFOAが含まれる泡消火剤の保有や使用履歴を確認していますが、まだ回答はないということです。

一方で、地下水の調査では、弾薬庫より下流のエリアで暫定指針値の82倍という高い汚染が判明しています。

東広島市は「汚染源はまだ特定されていない」としながらも、ほかの事業所での調査は済ませ、残るは川上弾薬庫だとして8日にあらためて中国四国防衛局に対して在日アメリカ軍へ弾薬庫内での水質調査の実施を要請するよう求めたということです。

東広島市 高垣広徳 市長
「期間・場所が早く特定できれば、汚染エリアというのが、おのずから絞られてくるので、そこに対する対応もわれわれができるようになると」

市は、汚染が判明した井戸水の利用世帯に緊急的にペットボトルで対応している水の配給体制についても今後の方針を検討しているということです。

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