小中学生の運賃無料 富山市の地域バス、4月から 市営に定期券導入

 富山市は4月1日から、市営コミュニティバスの全路線で小中学生の運賃を無料とし、通勤・通学利用向けに定期券を導入して利便性を高める。市内5地域を走る地域自主運行バスも小中学生の運賃が無料となる。9日に市役所で開かれた市交通空白輸送地域公共交通会議と運賃協議会で了承された。

 市営バスは八尾、大山、山田の3地域で運行。現在の運賃は大人が1回200円、小中学生100円で、通学時のみ無料としている。市は昨年に「こどもまんなか応援サポーター宣言」を行っており、子育て世帯の負担を軽減する。

 地域自主運行バスの小中学生の運賃は通学を除き100~200円で、呉羽、婦中、堀川南、上条、水橋が無料とする。市が各運行主体に協力を呼び掛けた。

 市営バス定期券は一般が1カ月6千円、高校生が同3千円で、通常運賃と比べ約3割安価に設定した。3月下旬から販売する。

   ●山田線で貨客混載

 市は市営バス山田八尾線で4月、乗客と貨物を一緒に運ぶ「貨客混載」の社会実験を始める。県内初の試みで、運送業の人手不足が懸念される「2024年問題」に対応し、バスの空きスペースを有効活用して収益向上も図る。

 月曜から土曜の各1便でヤマト運輸の荷物を八尾地域から終点の山田中核型地区センターまで運び、同社の配達員が受け取って送り先に届ける。中山間地の山田地域を回る配達員が、別の荷物を取りに距離のある集配所との間を往復する負担を減らす。運送は1回千円程度の予定で、市は年間約35万円の収入を見込む。

  ●AI交通の停留所増

 市は大山地域で実験中の人工知能(AI)を活用したオンデマンド交通を4月から本格運行する。運行範囲を広げ、停留所を12カ所増やして44カ所とする。乗車の予約に応じAIが最適なルートを判断する。

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