五島の暮らしテーマに雑誌 「GOTOPAPER」発行へ 情景編集舎の谷合さん、昨年Uターン

年刊誌「GOTOPAPER」の発行に向け準備を進める谷合さん=五島市富江町、交流施設「さんごさん」

 雑誌制作に約40年間携わり、昨年長崎県五島市にUターンした「情景編集舎」代表の谷合貢さん(61)が、五島列島の住民の暮らしをテーマにした年刊誌「GOTOPAPER(ゴトウペーパー)」を7月に発行しようと準備を進めている。谷合さんは「制作を通じて人と人のつながりを生み出し、五島列島の未来を明るくしたい」と語る。
 同市富江町出身で高校卒業後に県外へ。東京の出版社などで雑誌の取材や編集に従事し、自身の会社を設立。近年はあらゆる暮らし方を提案するライフスタイル誌「nicethings(ナイスシングス)」を制作している。
 五島には時折帰省していたが、人口減少に歯止めがかからない。一方、10年近く前から住民やU・Iターン者によって空き家を活用したり、新たな事業が生まれたりするなど地域の可能性を感じていた。「点と点をつなげて島内外に伝えたい」。これまでの経験を島の未来づくりに役立てようと考えた。
 GOTOPAPERは人や土地の魅力を伝え、島ならではの個性や特長を発信。食やものづくり、仕事、地域の祭り、伝統文化を取材し、課題を浮き彫りにしながら次世代に受け継ぐことを目指す。島の今を1年ごとに追いかけようと年刊誌として発行。116ページ、カラー。長崎市や福岡、関東、関西でも販売する。
 制作や販売の費用の一部として、2月末までクラウドファンディングで資金を募集中。谷合さんは「子どもたちが島外に出ても、戻る可能性をつくることができればうれしい。雑誌を発行するだけでなく、人が交流する場づくりをする」と話している。

年刊誌「GOTOPAPER」の表紙のイメージ

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