バレンタイン商戦が本格化 「世話」「推し」…チョコの目的いろいろ ラッピング商品や花もアピール

58ブランドが出店する催事場でチョコを選ぶ買い物客=長崎市、浜屋百貨店

 バレンタインデー(14日)商戦が長崎県内でも活気を帯びている。定番の「本命」「義理」に加え、「ご褒美」「世話」「推し」といった選択肢をアピールし購買意欲をくすぐる。新型コロナウイルス禍で控えられていた手作りチョコレートの“復活”を見込んでラッピングの品ぞろえに力を入れる店や、海外の風習にならい「男性から女性に花を」と呼びかける店もある。
 浜屋百貨店(長崎市浜町)催事場で開催中の「ハマチョコ&スイーツフェスタ」には、わらび餅やカヌレなども含め計58ブランドが並ぶ。「チョコと一緒に」と東京発コーヒー専門店の猿田彦珈琲も出店した。
 浜屋担当者によると、原材料高騰などで販売価格は総じて昨年に引き続き高止まり。内容量を減らしたブランドもある。それでも、自分への「ご褒美」や「本命」は3千~6千円の高価格帯が人気だ。一方、支えてもらった人に贈る「世話チョコ」は500~千円が相場。会社の先輩に500円ほどのチョコを1万2千円分購入した同市の山﨑風羽さん(19)は「日頃の感謝を込めて渡す」と話すかたわら、自分用も品定めしていた。
 アミュプラザ長崎(同市尾上町)は、本館と新館の回遊性を高めようと、両館に催事場を設置。高級チョコ「ゴディバ」やメモリードグループ(総合本部・西彼長与町)の専門店「チョコレートハウス」、石川県金沢市のフレンチトースト専門店「パパンガパン」など県内外の計6ブランドをそろえた。今年は長崎ランタンフェスティバルと重なり「さらなる集客に期待」とする。
 近年、好きなアイドルやアニメキャラクターを応援する「推し活」がトレンドに。「推し」のアクリルスタンドと、そのイメージカラーと同じ色の商品を並べて撮影し交流サイト(SNS)に投稿する人が多い。これを踏まえ、アミュ本館のハンズ長崎店は、赤や緑など5色のパッケージの「推しチョコ」コーナーを初めて設置した。
 衛生面がネックとされた手作りがアフターコロナで増えるとの期待も。アミュ新館の雑貨店「フライング タイガー コペンハーゲン」は、箱やリボンなどが入ったラッピングセット(715円)を店頭に押し出し、手に取りやすい価格帯で中高生に人気という。
 バレンタインで男性から女性に花を贈る国もある。長崎市万屋町の生花店「ichika観光通り店」は「フラワーバレンタイン」と称してPR。水と栄養剤入り容器のブーケ(2200円~)は、花瓶に移さずそのまま飾れる。店員の若杉莉奈さん(29)は「“逆バレンタイン”で思いを伝えてみては」と薦める。

手作りチョコを贈る人向けのラッピング商品=アミュプラザ長崎新館、フライング タイガー コペンハーゲン

© 株式会社長崎新聞社