黒部で遠隔勤務 七尾の29歳男性、金沢の会社就職

自身のウェブ記事を紹介する岡崎さん。3月からリモートワークを始める=黒部市内の市営住宅

  ●宇奈月で2次避難中、11日に市営住宅入居

 能登半島地震で被災し、黒部市宇奈月温泉に2次避難した七尾市の若者が黒部市の支援で11日から、市内の市営住宅に入居する。これまでフリーのウェブライターをしてきたが、新たな生活拠点を得て3月からは金沢市の広告関連会社の正社員として遠隔勤務をスタートさせることも決まり、生活再建へ一歩を踏み出す。

 黒部市営住宅に入るのは岡崎寛康さん(29)。七尾市の自宅は倒壊を免れたが、断水が続き、同市内の交際中の20代女性とともに、女性の親戚が住む黒部市へ移った。石川県による2次避難に先立って、民間窓口を通じて知った宇奈月温泉「お酒のお宿 喜泉」に1月13日から2人で滞在してきた。

 黒部市は避難者向けに家財道具、日用品をそろえた市営住宅を無償提供しており、市側の勧めもあって、入居した上で生活基盤を整えようと決断した。ゆくゆくは、この女性との結婚も見据えている。

  ●ライターの知識、経験「少しでも復興の役に」

 宿に滞在中も、動画紹介サイトでの記事作成を続けてきた。3月からリモートで始める業務はライターとして培ってきた知識、経験を生かせる内容といい、岡崎さんは「仕事を通じて能登、石川の復興に少しでも役立てればいい」と話した。

 宇奈月温泉には現在、石川県の要請で輪島市の避難者約80人が滞在している。黒部市は市営住宅で最大250人を受け入れる態勢を整えている。

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