冬枯れの草原、炎が包む 平戸・川内峠「野焼き」で春へ

野焼きの激しい炎に包まれた草原=平戸市、川内峠

 平戸に春の到来を告げる野焼きが10日、長崎県平戸市の主要観光スポット、川内峠であり、冬枯れの草原が激しい炎に包まれた。
 川内峠は平戸島北部にあり、標高約200メートルに約30ヘクタールの草原が広がる。かつては牛の放牧や、かやぶきの屋根材を確保する入会地。現在は大山、大野、木引、川内在の4地区が共同管理している。
 野焼きは景観維持、防火などを目的に毎年実施。市消防署員、市消防団員ら約150人が参加した。午前9時ごろ、南側の川内在地区から北西側の木引地区まで順次火入れ。冬枯れのススキなどが、ぱちぱちと激しい音を立てて燃え上がり、3時間余りで焼き終えた。
 長崎市から訪れた男性(69)は「感動。心に残るね」と話した。野焼きが終わると新たな芽が吹き、ワラビ取りなどでにぎわう。

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