第73回全国高校スキー大会(インターハイ)最終日は11日、富山県南砺市のたいらスキー場ほかでアルペンなどが行われ、県勢は女子回転で前回王者の大西美琴(おおにしみこと)が準優勝、深澤(ふかさわ)ひなたが3位、大貫詩旺(おおぬきしお)が8位に入り、足利大付勢3人がそろって入賞した。
大西は1回目で4位につけ、2回目は全体で唯一50秒を切る49秒78をマークし順位を二つ上げた。深澤は1回目で2位、2回目で3位。安定した滑りで前回の14位を上回った。1年生の大貫は1回目で滑走順70番目ながら9位につけ、2回目でも順位をキープした。 このほか中村凜々花(なかむらりりか)(同)が21位、長塚美音(ながつかみお)(大田原女)が89位だった。女子総合で足利大付は準優勝に輝いた。
攻めて表彰台も悔し涙
女子回転の深澤(ふかさわ)ひなた(足利大付)はインターハイで初の表彰台。年明けから海外でレースが続いた影響を感じさせなかったが、「うれしさより、悔しさのほうが勝る」。ゴーグルの下に笑顔はなかった。
昨晩から降雪が続き、柔らかい雪面は強いエッジングで滑るには難しいコンディション。それでも大回転6位からの巻き返しを狙い、序盤から「転んでもいい。積極的に」と果敢に攻め続けた。しかし気持ちだけが先走り、最後まで板のコントロールに苦戦した。レース後に源田道昭(げんだどうしょう)監督から「ナイスラン」とねぎらわれると、こらえていた悔し涙があふれた。
前回出場の14位からは大躍進だ。昨年は全日本チームの一員として欧州に遠征。トップレベルの滑りを間近で学んだ。本格的な始動も例年より1カ月早め、「フォームもしっかり固まっていた」という。走り込みや筋力トレーニングを重ね、フィジカル面の強化も結果に結び付いた。
短期間で調整が求められた今大会。「難しい状況でも結果を残していく。さまざまな面で成長したい」と誓う深澤。この経験は間違いなく、収穫だったと胸を張っていい。