「食べられることに感謝しながら」食材は能登牛に氷見産煮干し…“奇跡のつけうどん”88食は完売!人気店がコラボ

ラーメンにうどん、肉料理と静岡県内3つの人気店による「奇跡のコラボ」が実現しました。ジャンルを超えたお店が限定メニューを開発するプロジェクト。能登半島地震の被災地を支援する渾身の一杯が出来上がりました。

【写真を見る】「食べられることに感謝しながら」食材は能登牛に氷見産煮干し…“奇跡のつけうどん”88食は完売!人気店がコラボ

静岡市清水区のうどん店で2月12日に開かれたイベント。客が食べているのは1日限定の特別メニュー「つけうどん」です。実はこのメニュー、3人の料理人のコラボしました。

静岡県焼津市のラーメン店「粋蓮華」。店主の紙谷正成さんが今回のイベントの発起人です。

<粋蓮華 紙谷正成店主>
「やっぱり飲食業を盛り上げたいという考えはありますね。みんな厳しいと思う。材料費も上がって、光熱費も上がっての中でみんなやりくりしてやっているので」

コロナ禍や物価の高騰などで大打撃を受けている飲食業界を復活させたい。紙谷さんの想いに賛同したのが、藤枝市の肉料理店「肉屋堀もと」の堀本睦剛さん。そして、「うどん屋げんき」の松波岩徳さんです。互いの長所を生かしつつ極上の「つけうどん」が完成しました。

<客>
「濃厚なんだけど嫌味のない、でも、煮干しの味が口中に広がっておいしい」

つけ汁にたっぷり使ったのは、富山県氷見産の煮干しです。「うどん屋げんき」の店主・松波さんは石川県の出身。能登半島地震によって大きなダメージを受けた故郷を静岡から支えたい。料理人としてできることを考えた結果が今回のメニューです。

<うどん屋げんき 松波岩徳店主>
「何かお金だけじゃなくて、静岡の人が応援できるような食材を使って支援できることを考えていました」

ステーキやおにぎりには、きめ細かな肉質と上品な脂が特徴の能登牛を使いました。

<ほりもとや 堀本睦剛代表>
「能登のいい食材を、静岡のみなさんによく伝えることができればいいなと思います」

<客>
「堀本さんのお肉も最高なんですけど、1月1日の震災のときに何もできなかったが、いま生きて食べられることに感謝しながら頂きたい」

初めての取り組みとなったジャンルを超えたコラボ麺は、用意した88食はイベント前に予約で完売。店側としても手ごたえを感じています。

<うどん屋げんき 松波岩徳店主>
「お客さまに喜んでもらう、それで支援につながるという両方にとっていいことを考えた。(今後も)静岡からエールを送れるようなことを考えていこうと思います」

1日限定で実現した「奇跡のコラボ」。被災者に向けた温かい気持ちが込められています。

今回のイベントの売上は食材費を除いて、被災地に寄付するということです。また、今回、来られなかった人のために、各店舗では今回の食材を使用したスピンオフ商品を提供予定ということです。

© 静岡放送株式会社