諫早で国民保護図上訓練 他国からの武力攻撃を想定 住民避難の流れ確認 長崎

不測事態を知らせる市民からの電話への対応など訓練に当たる職員=諫早市役所

 国や長崎県、諫早市は11日、他国からの武力攻撃予測事態を想定した本年度県国民保護共同訓練を市役所で実施し、関係機関との連携・調整など有事の対応を確認、課題を洗い出した。
 同市などの一部が他国からの侵攻目標になったとの分析に基づき、市が全住民を陸路や空路で福岡県などに避難させる想定の図上訓練。自衛隊や海保、警察など17機関から約110人が参加した。
 国からの避難措置の指示などを受け、市は対策本部を立ち上げて輸送手段の調整、不測事態への対処などを開始。対策本部には市民からの問い合わせのほか、「(避難して不在となった)住宅を不審者が荒らしている」「(要配慮者を避難させる)救急車が来ない」「不審船がいる」などと緊迫した情報が刻一刻と入り、職員が対応に当たった。総括では各班の責任者から「(情報を共有する)メモ作成の訓練、デジタルトランスフォーメーション(DX)活用の検討が必要」などの感想が聞かれた。
 市などは今回の図上訓練を踏まえ、新年度に実動訓練を予定している。

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