大蛇に見立てた大きなしめ縄を飾って無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事「神縄座(かんじょうざ)」が11日、京都府宇治田原町立川の糠塚地区で行われた。住民が協力して、迫力あるしめ縄を作った。
神縄座は町内のいくつかの地域で行われており、糠塚のしめ縄は最大級という。「当屋」と呼ばれる地区の長老が行事を取り仕切る。
この日は朝から、地元の約60人が地区の愛茗(あいめい)会館に集まった。わらを束ねて3本の縄にしたものを十数人がかりで編み、長さ約8メートル、直径約30センチの1本のしめ縄にした。シキミを下に飾り付け、完成させた。その後、集落の入り口にあたる「神縄の杜(もり)」まで約500メートル担いで運び、過去に作ったしめ縄の上に円を描くようにして置いた。
当屋を務めた奥村太門さん(77)は「地域の協力があってこそ続けられる行事。皆さんが平穏に過ごせる1年になってほしい」と話した。