長崎市庁舎のトイレが最高賞 2段階鍵や音声案内 「官民連携」高く評価

「JTAトイレ賞」を受けた長崎市庁舎のトイレ(優先トイレ)

 日本トイレ協会(東京)が誰もがいつでもどこでも気持ち良く使えるトイレ環境を表彰する本年度の最高賞「JTAトイレ賞」に、長崎市庁舎のトイレが選ばれた。職員と市民が約6年間、意見交換を重ねたことが「官民連携の社会活動の模範となるケース」と高く評価された。
 同協会が2009年度に「グッドトイレ選奨」として始め、本年度から名称を「JTAトイレ賞」に改めた。国内外から30作の応募があり、同賞には2作が輝いた。長崎市庁舎は社会的活動部門に応募。最高賞を受けたのは県内で初めて。
 市庁舎のトイレは設計段階の17年から22年まで、市大型事業推進室と市民団体「みんなにやさしいトイレ会議」、子育てや障害者団体、業者などが計12回におよぶ協議などを重ね「使う人にさりげなく優しい、細やかな機能」を目指した。
 庁内の全個室と洗面台へのサニタリーボックス設置や子どもの解錠防止の2段階鍵、優先トイレの音声案内など当事者の目線を取り入れ、荷物かけフックを増やしカラフルな色使いをするなど普段の使い勝手にこだわった。機能を分散し、利用者の集中を避ける工夫もしている。
 「市民、利用者が参加した話し合いの結果が結実」「公衆トイレに必要とされる機能が装備され、デザインにも優れたトイレ」と講評された。
 協議に関わった「トイレ会議」の竹中晴美委員長は7日、鈴木史朗市長に受賞を報告。「トイレの表彰では最大の賞で、ここを目指してきた。みんなの深い思いでできたトイレ。これを機にトイレにいつも関心を持つ大切さを知ってほしい」と話した。

「JTAトイレ賞」を受賞した市庁舎のトイレに関わった竹中委員長(中央)と大型事業推進室の職員ら=長崎市役所

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