「全体的に10%~20% 産地によってはそれ以上」チョコレートの価格高騰の背景に“SDGs”⁉ あす2月14日はバレンタインデー

2月14日はバレンタインデーですが、2024年は義理チョコの数が減るとの分析が出ています。実はプレゼントされるチョコレートは原料の価格が急騰していて、その1つの要因として、SDGsの推進が挙げられています。いったい、どういうことなんでしょうか。

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<社会部 竹川知佳記者>
「松坂屋静岡店のバレンタインデーに向けたチョコレート売り場です。今年は男女問わず、幅広い年代で賑わっています」

松坂屋静岡店で開催されている「ショコラプロムナード」では、60店舗のお菓子が集まっています。14日のバレンタインデーを前に駆け込みでの購入が相次いでいました。

<30代女性>
「家族と自分用です。誰かにあげるというより自分のご褒美的な感覚」

<男性客>
Qきょうは誰用に?
「奥様用に買いました。逆でもよいかな」

日本生命の調査によりますと、バレンタインデーにチョコレートを渡す相手として、パートナーや自分自身は増えている一方で、職場という回答は年々減り続けています。日本生命では、義理チョコの文化が廃れつつあると分析、その背景には物価の高騰があるとみられています。

もちろん、チョコレートの価格も上昇していて、私たちの財布を直撃しています。

「なんで値段が上がっているのか背景を知って」

<コンチェ 田中克典さん>
「チョコレートの原料に使っているカカオ豆になります。カカオ豆、全体的に10%~20%、産地によってはそれ以上値段が上がっています」

静岡市葵区のチョコレート専門店「コンチェ」では、8か国のカカオ豆を使い、チョコレート菓子を製造・販売していますが、最も大切なカカオ豆の高騰が悩みの種となっています。カカオ豆の価格の推移をみると、2022年7月には、1キロ2.24ドルだったものが、2024年1月には4.4ドルと倍近く価格がはね上がっています。

円安や物流コストの上昇も追い打ちをかけ、田中さんの店では2024年1月、一部のチョコレートの価格を400円から500円に値上げしました。ただ、カカオ豆の値上がりにはSDGs促進という面があると田中さんは話します。

<コンチェ 田中克典さん>
「生産者の収入の水準が上がるようにそういった取り組みをする中で、反映されて上がっているというのも含まれる」

これまでカカオの生産地では、従業員が安い賃金で働かされるといった状況が続いていました。チョコレートを持続可能な産業にするには、現地の農家の待遇改善が必要として、近年、公正な取引を進める動きが広がっていることもカカオ豆の価格上昇につながっているといいます。

<コンチェ 田中克典さん>
「なんで値段が上がっているのかっていう背景、フェアトレードや児童労働、社会問題も大きく絡んでいる。そういったものを解決していく取り組みの中で、コストが上がっているので、そういったこともお客さまにお伝えしながら、食べていただけたら」

チョコレートの価格上昇は悩ましいことかもしれませんが、今後もおいしいチョコレートを食べるために必要なことは何か、考えていく必要があります。

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