塀に下敷きの男性死亡 地震の片付け中 七尾・一本杉 

事故があった老舗醤油店=10日午後、七尾市一本杉町

 10日午後、七尾市一本杉町の老舗醤油店で、震災ごみの片付け作業をしていた60代男性がブロック塀の下敷きになった事故で、男性が亡くなったことが13日、関係者への取材で分かった。男性は心肺停止の状態で市内の病院に搬送され、その日のうちに死亡が確認された。

 七尾署と七尾鹿島消防本部によると、ブロック塀は高さ約1.3㍍、幅3.3㍍。男性は店関係者で、隣家との間にある中庭のブロック塀を砕く作業中、倒れてきた塀と納屋に下半身が挟まれたとみられる。

 醤油店は1908(明治41)年に建設された土蔵造りで、地震で大きく傾き、応急危険度判定で「立ち入り危険」を示す赤い紙が貼られていた。

  ●県が安全確保で通知

 石川県は、男性がブロック塀の下敷きとなった事故を受け、ボランティアの実施主体である各社会福祉協議会に対し、安全確保に関する通知を出した。

 通知は11日付で、応急危険度判定で「危険」「要注意」と判定された家屋やブロック塀の周辺で活動する際は、建築士など専門家の助言を受けるよう促した。馳浩知事は「大変残念だ。揺れで基盤が脆弱になっている可能性がある。十分に気をつけてほしい」と述べた。

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