滋賀県長浜市の一大イベント「きもの大園遊会」取り止めピンチ 市が予算化見送り

滋賀県長浜市が開催関連予算を計上していないことが判明した「長浜きもの大園遊会」(2023年10月14日、滋賀県長浜市元浜町・大通寺)

 40年近い歴史がある滋賀県長浜市の秋のイベント「長浜きもの大園遊会」について、長浜市が新年度予算案で開催関連経費の計上を見送っていることが13日わかった。今秋の同園遊会は取りやめになる公算が大きい。

 同日開かれた長浜商工会議所と浅見宣義市長との市政懇談会の席上で判明した。懇談会終了後、浅見市長は取材に対し当初予算案に計上していないことを認めた。

 園遊会は地元特産の「浜ちりめん」など和装産業振興を目的に1984年に始まった。市や経済界が参画する運営委員会が主催し、和服姿の男女が市中心部を散策する。

 ピークの93年には約1600人の参加があったが、近年は参加人数が伸び悩んでいる。初めて有料化(参加料3千円)を打ち出した昨年は募集千人に対し参加は約300人と、一昨年の640人から半減した。

 市政懇談会で園遊会に関わっている商議所関係者から「予算計上しないのなら市から事前に相談があってしかるべき。手順を踏んでいない」などと批判が出た。浅見市長は「意思疎通に齟齬(そご)があった。次の一手を考えたい」と陳謝した。

 市文化観光課は取材に対し「現段階では話せない」としている。

© 株式会社京都新聞社