メルセデスAMG、130周年記念カラーでバサースト12時間参戦へ。DRS付き“魔改造車”で最速記録にも挑戦

 メルセデスAMGは2月13日、同ブランドのモータースポーツ活動130周年を記念した特別カラーリングを施したマシンで、今週末の2月18日にオーストラリアのマウント・パノラマで行われるIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ開幕戦『レプコ・バサースト12時間』レースに参戦すると発表した。

 マーロ・エンゲル、フェリペ・フラガ、デビッド・レイノルズがドライブするメルセデスAMG・チーム・グループM・レーシングの130号車メルセデスAMG GT3 Evoには、このブランドのレースにおける長い歴史に敬意を表した、ホワイト、シルバー、ブラックの特別デザインが施されている。

 メルセデスAMGのレースの時代は、1894年7月、パリ=ルーアン自動車レースから始まった。以来、ル・マン24時間レース、ニュルブルクリンク24時間レース、ミッレ・ミリア、F1世界選手権などで、彼らは数々の勝利を収めてきた。

 バサーストに出場する130号車では、フロント部分のホワイトは、ドイツ国営レースカラーが白だった頃のブランド初期の時代へのリスペクトを表しており、シルバーは第二次世界大戦の直前から一世を風靡した『シルバー・アロー』へのオマージュである。

 リヤ部分での露出したカーボンファイバーのパターンは、F1やスポーツカーレースにおけるメルセデスAMGの現在の偉業を象徴している。

 メルセデスAMGのファクトリードライバーであるエンゲルは、年間を通じてさまざまな選手権でこのカラーリングをまとってレースに出場する予定だが、同ブランドはニュル24時間やグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを含む多くのイベントでは、特別な祭典を計画している。

1989年のル・マン24時間レースを制したザウバー・メルセデスC9

■DRS装着、リストリクターなしの車両で“最速記録”にも挑む

 一方、同じくファクトリードライバーであり、前回バサースト優勝者でもあるジュール・グーノンは、2024年のレースに先立って非公式のマウント・パノラマ最速記録の更新に挑戦する予定だ。

 1周6.213kmの起伏に富んだこのコースでの現在の記録は、2019年にルーク・ヨールデンがブラバムBT62で刻んだ1分58秒694となっている。

 この記録を破るためにグーノンは、改造され、リストリクターのないメルセデスAMG GT3 Evoのステアリングを握ることになる。

 この車両は、クラス1規定時代のDTM車両と同様のDRSシステムをリヤウイングに装備し、さらに空力面で改良されたフロントセクションとサイドスカート、そしてGT3の技術規則では許可されていないカーボンブレーキディスクも備えた、スペシャルなものだ。

 そして、吸気リストリクターが取り払われた6.2リッターV8エンジンは、約650馬力を発生するとされている。

 メルセデスAMGモータースポーツ部門責任者のクリストフ・サーゲミュラーは「モータースポーツにおける130年間の遺産は非常に大きく、貴重なものだ」と語っている。

「これを将来にうまく引き継ぐことは、我々全員にとっての責任ある義務である」

「バサースト12時間でこの記念日を迎えることができてうれしく思うし、記録的なラップで祝福することもできればと思っている」

「さらには、我々は2年連続のディフェンディングチャンピオンとして、象徴的なマウントパノラマに向かう」

「もちろん、我々はこのタイトルを守り、『1894年以来のモータースポーツを定義する』というモットーに従い、130年にわたるモータースポーツの伝統に新たなマイルストーンを加えたいと考えている」

2023年のバサースト12時間レースの様子

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