チャン・イーモウ監督の最新作「第二十条」、盛り上がりに欠けるのは「重さ」原因か

春節(旧正月)の映画市場で、人気がいまいち盛り上がらない状況にあるチャン・イーモウ(張芸謀)監督の最新作「第二十条」について、ネットではさまざまな意見が聞かれている。

今月10日に一斉に公開スタートした今年の春節映画だが、興行収入ランキングのトップを独走しているのは、コメディアンで映画監督のジア・リン(賈玲)が監督・主演の「熱辣滾燙」で、13日未明のデータで12億元(約250億円)を突破。2位はハン・ハン(韓寒)監督の「飛馳人生2」で11億元(約230億円)を超え、3位はアニメ映画の「熊出沒・逆轉時空」で7億元(約145億円)に達し、チャン・イーモウ監督の「第二十条」は現在4位で、5億元(約104億円)となっている。

レイ・ジャーイン(雷佳音)、チャオ・リーイン(趙麗穎)、マー・リー(馬麗)、TNT(時代少年団)のリウ・ヤオウェン(劉耀文)らが出演する「第二十条」は現代社会を舞台に起こるさまざまな事件と、正当防衛について書かれた刑法第二十条の関係について描かれ、コメディ要素もふんだんに加わっている。

昨年は春節映画に時代劇作品「満江紅」を投入し、中国映画市場における歴代6位のヒットを記録したチャン・イーモウ監督だが、今年は他作品に押され気味の現状についてネットでは、「春節なのに内容が重い」「家族で見に行けない内容が含まれる」といった声が。映画には学校でのいじめのシーンや、聴覚障害者を演じるチャオ・リーインが性的暴行を受ける描写があり、めでたい新春にふさわしくないという意見が見られる。

しかし、「第二十条」には笑いを誘うセリフや表現も多く、「笑えて泣けて、とても良質な作品」「刑法第二十条をコメディで描くチャン監督の手法はお見事」「年齢層を問わず楽しめて考えさせられる映画だ」といった支持を示す意見も多い。(Mathilda)

© 株式会社 Record China