「借金がゼロになります!」信じて弁護士事務所に電話するも →『債務整理』で思わぬ落とし穴が──!?

借りたお金をどうしても返せない事情がある場合は、救済してくれる制度があります。しかし、制度のメリットだけではなく、デメリットも理解した上で利用しなくては……これは筆者の友人・Oから聞いた、実際に体験したお金にまつわるエピソードです。

ftnews.jp

身の丈に合わない買い物

私は、買い物でストレスを発散する癖があり、身の丈に合わない買い物もしてしまいます。
そんな結果、いつの間にか200万円近い借金ができてしまいました。

10年近く働いていた会社が倒産してしまい、転職もうまくいかず……収入は減ってしまったのに、買い物癖は治らず、借金の返済に苦しむようになってしまったのです。

救世主

そんなある日、スマホで『借金が0になる!』『国が認めた方法』などという謳い文句がある広告を見つけました。
すでに自転車操業になっていた私は、藁をも掴むような気持ちでフリーダイヤルに電話。
借金の相談をすると、債務整理を勧められたのです。

債務整理のことはよくわからなかったのですが、特別な事情でない限り借金が免除されて返済しなくてもよくなること、申し込みをした時点で督促がなくなることなどを聞きました。
債務整理のメリットばかりに目が行ってしまった私は、簡単な気持ちで弁護士事務所に債務整理を依頼してしまったのです。

債務整理

債務整理は依頼までは簡単でしたが、免除の決定が下りるまでの過程はかなり煩雑でした。
中でも毎月の収支一覧を提出するのがとても面倒だったのですが、裁判所に提出する書類だと言われていたので、『借金がなくなるなら……』という思いだけで何とか乗り越えました。

後日、弁護士さんと裁判所へ行き、支払い免除の決定が下りました。
弁護士費用はかかりましたが、今までの自転車操業が終わると思うと、とても晴れ晴れとした気持ちになり『これからは絶対に借金はしない!』と心に誓ったのです。

デメリット

しかし、債務整理はメリットだけではなく、デメリットも確実に存在しました。
債務整理後の生活は、思ってもいないことで不自由なものになってしまったのです。

・携帯の契約や機種変時の端末代ローンが組めない
・ETCカードが作れない
・クレジットカードが持てないのでクレジットカードしか支払い方法がないECサイトなどで買い物ができない

とにかく現金一括でしか生活ができなくなりました。事故情報が登録される5年から10年間の限定ではありますが、その間はローンは組めませんし、クレジットカードの使用や、新規作成ができなくなってしまったのです。
借金がゼロになったことは良かったのですが、デメリットを考えずに飛びついてしまったことで、今では別の意味で困り果てています。
借金をなくすというのは、それなりの制裁もあるのだと思い知りましたが、クレジットカードではなくQRコード決済にするなど、工夫をして生活しています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K

© 株式会社ファッションニュース通信社