NPOは「豊かな空間生むのが大きな仕事」 京都精華大学・白井聡准教授が講演

藤井さん(右)と白井さんが意見を交わしたパネル討論(大津市におの浜1丁目・ピアザ淡海)

 NPO(非営利組織)活動について考えるイベント「非営利セクターの最前線」が10日、滋賀県大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で開かれた。京都精華大学の白井聡准教授が講演し、新自由主義との関わりから近年起きている身近な空間の変化について語った。

 1998年の特定非営利活動促進法(NPO法)成立から四半世紀が経過し、少子高齢化など社会情勢は変化している。イベントは改めて活動の展望などを考える機会にしようと、同市市民活動センターが主催し、県内で市民活動に取り組む人ら約70人が参加した。

 白井氏は講演で、「新自由主義は空間を高度化した資本主義に適合するものに再編成する機能を持ち、人々のものの考え方にも影響を及ぼす」と指摘し、大学などで起きている変化を紹介。「公共でも私有でもない『豊かな空間』を生むことが、非営利セクターの大きな仕事になるのではないか」と述べた。

 その後のパネル討論では、滋賀県在住で元NPO法人代表の藤井絢子さんも登壇。琵琶湖の水質改善を目指した「せっけん運動」など自身の活動を振り返り、「自治とは自分たちで考え、動くこと。ただ理屈ばかりで人は動かない。運動は楽しくなければ」などと語った。

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