「タイヤ変更の影響が大きい」高星明誠が語る3号車NISMO NDDPとブリヂストンの新パッケージ

 2月7〜8日に岡山国際サーキットで行われたスーパーGT GT500クラス参戦3メーカーテストに参加したニッサン/ニスモ陣営。今季気になるのは、やはりミシュランからブリヂストンへとタイヤメーカーを変えたニスモの2チームの動向だ。2024年シーズンは『NISMO NDDP』とチーム名が変更された3号車からテストに参加した高星明誠に、今季の意気込みとブリヂストンタイヤの印象などを聞いた。

 昨季2023年は千代勝正とのコンビで最終戦までチャンピオンを争い、ランキング2位でシーズンを終えた高星。今季は高星がAドライバー登録の実質エース的な立場となり、チームメイトには新たに三宅淳詞を迎え入れて王者獲得を目指す。

 両ドライバーは1月下旬にマレーシアのセパン・サーキットで行われたウインターテストに参加していたが、そのときは開発車両の230号車をシェアしていたため、3号車としては岡山メーカーテストが今季の2024年型車両の初走行の場となった。

 先日の開発車によるセパンでの走行、そして今回の3号車による岡山での初走行を経て、高星はブリヂストンタイヤとの印象として「ウォームアップの仕方やピークグリップの出方」に大きな違いを感じたという。

「ミシュランに慣れてしまった部分を、ドライビングでブリヂストンに合わせ込まないといけないところが少し出てきそうです」と続ける高星。タイヤメーカー変更は想像以上に影響が大きそうだ。

 なお、今季のGT500クラスは空力開発が一部解禁となることもあり、ニッサン陣営はフロントノーズなどがニスモ仕様となった『ニッサンZニスモGT500』を投入する。マシンについては現時点で「正直そこまで大きな違いはない」と語り、マシンよりタイヤメーカー変更の影響を続ける。

「僕らはタイヤ変更の影響が大きいですね。(問題が)タイヤからきているのか、開発がうまく進んでいるのか、ということの判断が少し難しい状況です。ただ、テストは順調にこなしているので、良いことと悪いことがあるなか、データを精査して良い部分だけを拾っていきたいと思います」

2024スーパーGT岡山メーカーテスト NISMO NDDPの3号車ニッサンZニスモGT500

 また、今季の3号車は高星のパートナーとして、昨年までGT300を戦っていた三宅を迎える。4セッションが行われた岡山メーカーテストでは三宅も多くの時間をドライブしており、GT500ルーキーとして経験を積ませているようだった。

 高星は三宅について「ルーキーなので、まずニッサンの環境に慣れないといけませんし、車両やタイヤの開発をすることも彼にとって初めての経験だと思います。そういった部分を含め、一歩ずつ進歩していってもらいたいです」とアドバイスを送った。

 2024年シーズンはチーム体制やマシン、タイヤメーカーが変わる変革の年となるNISMO NDDP。Aドライバーとしてチームを牽引する高星は、今季への意気込みを以下のように語る。

「昨年もシーズン中はランキングトップでしたし、毎年のようにチャンピオンを争うことができたのは、すごく良いことだと思っています。ただ、2年間チャンピオンを獲ることができなかったことは事実です」

「今年はチームメイトが変わるので、良かったものは残しつつ、三宅選手加入という新しい風が入ったので、どこまでやれるのかという部分は僕も楽しみにしています。その相乗効果で優勝はもちろん、チャンピオン争いに絡んでいきたいです」

 近年、チャンピオン争いの常連となっていた3号車。チームの顔であった千代勝正が23号車に移籍して、新人三宅が加わり、さらにタイヤメーカーも変わった今シーズン、果たしてどのようなパフォーマンスでGT500に新しいインパクトを与えてくれるのだろうか。

2024スーパーGTセパンテストでの三宅淳詞と高星明誠

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