一万人プールで心肺停止の2歳児救助 消防が銀行員男性らに感謝状 命助かり後遺症なし

中三川消防長(左)から感謝状を受け取った綱木さん(同3人目)と大森さん(同2人目)

 栃木県真岡市下籠谷(しもこもりや)の井頭公園一万人プールで昨夏、2歳男児が溺れて意識不明になる事故があり、その場で男児を助けたとして、芳賀地区広域行政事務組合消防本部は14日、壬生町安塚、群馬銀行行員綱木泰明(つなきやすあき)さん(39)と井頭公園管理事務所に感謝状を贈った。

 綱木さんは昨年8月11日、次男(9)とプールを訪れ、閉園間際の午後5時ごろ、流れるプールの階段付近で県内在住の2歳男児がうつぶせで浮いているのを発見した。

 男児は心肺停止状態で、綱木さんはプールから引き上げ、周囲に助けを求め、防水ケースに入れていた携帯電話で119番した。

 男児の祖父が駆け付け心臓マッサージし、プールのスタッフ10人ほども連携して自動体外式除細動器(AED)を装着させたり、救急車や救急隊を誘導したりした。男児はその場で呼吸を取り戻し、救急搬送され、命に別条はなかった。

 綱木さんは中三川祐二(なかみかわゆうじ)消防長から感謝状を受け取り「本来事故はない方がよく、複雑な気持ちもあるが、命が助かり後遺症もなかったことは本当に良かった。二度と起こってほしくない」と話した。

 井頭公園管理事務所の大森計(おおもりけい)さん(52)は「事故はあってはならず、表彰の話には心苦しい思いもあった。綱木さんの勇気を持った行動に助けられ、お礼を言いたい」と感謝した。

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