青柏祭、でか山巡行中止 道破損、組み立て危険

  ●保存会決定

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、七尾市中心部で5月に行われる「青柏祭(せいはくさい)の曳山行事」が、能登半島地震の影響で中止となることが14日、分かった。高さ12メートル、重さ20トンの「でか山」と呼ばれる巨大な山車が街中を練り歩く青柏祭の目玉の一つだが、道が破損していることや組み立て時に安全が確保できないことを理由に神事のみを執り行う。

 14日、でか山を巡行する鍛冶(かじ)町、府中町、魚町の代表者らでつくる「青柏祭でか山保存会」の総会が開かれ、全会一致で決定した。

 参加した35人の会員からは「でか山の組み立て時に余震が起きれば事故のリスクが高い」、「でか山が勢ぞろいする仙対橋を中心に道路が壊れている」との意見が上がった。

 中止はコロナ禍の2021年以来3年ぶり。保存会の丸岡俊宏副会長(府中町総代)は「祭りで能登を元気にしたいという思いはみんなあったが、中止はやむを得ない」と声を絞り出した。保存会の髙木純二会長(鍛冶町総代)は「来年の開催に向け、復旧復興を頑張っていきたい」と前を向いた。

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