穴水の災害ごみ処理 富山広域圏事務組合、県内で初受け入れ 15日から1日最大50トン

穴水町の災害廃棄物を受け入れる富山地区広域圏クリーンセンター=立山町内

 富山地区広域圏事務組合は15日から、立山町の同広域圏クリーンセンターで、能登半島地震で甚大な被害を受けた穴水町の災害廃棄物を受け入れる。1日当たりの受け入れ量は最大50トン程度の予定で、期間は決まっていない。同町の災害廃棄物は平時のごみ排出量の96年分と推計されており、焼却処分に協力し、復興を後押しする。

 富山地区広域圏事務組合は富山、滑川、立山、上市、舟橋の5市町村で構成する。富山県によると、県内の自治体や広域圏事務組合のごみ処理施設で、能登半島地震の災害廃棄物を石川県から受け入れるのは初とみられる。

 事務組合と富山県によると現在、廃棄物処理・リサイクル業の富山環境整備(富山市)が穴水町で出た災害廃棄物の仮置き場の管理や処分に協力しており、同社が破砕、選別した家具、畳など可燃ごみの一部をクリーンセンターで焼却する。1月末に同町から事務組合に受け入れ要請があった。

 受け入れは平日のみで、初日は試験的に約10トンが運び込まれる。20日ごろから本格的に受け入れる見通し。クリーンセンターでは通常、1日に家庭ごみ約200トンを焼却している。穴水の災害廃棄物を加えると1日当たり250トンとなるが処理能力に問題はないとみている。

 石川県は能登半島地震による災害廃棄物の発生量を穴水町で27.5万トン、県全体では244万トンに上ると推計している。

 富山地区広域圏事務組合はこれまでも東日本大震災など大規模災害の際に災害ごみの処分を支援してきた。直近では2019年の台風19号で被害を受けた長野市から約1751トンを受け入れた。事務組合事務局の担当者は「被災者が元の生活に戻れるよう、できる限り協力したい」と話した。

© 株式会社北國新聞社