加湿器の掃除してますか? 頻度は?→サボるとカビ以上に恐ろしい細菌が増殖!?メーカーに聞いた

「加湿器って掃除しないといけないの?!」「水入れっぱなしはだめなの?」乾燥する季節になるとSNSに登場するこのような投稿。実際、掃除を怠るとどうなるのでしょうか?!※画像はイメージです( Елена Гурова/stock.adobe.com)

「なんか耳垢みたいなの出るな~と思って、買ってからやったことない加湿器の掃除をしたら、凄まじいことになっていた」
「掃除サボるとピンクの付いちゃう」
「加湿器の掃除するかって思ったら加湿トレーの底がカルキでガッチガチに固まってて絶望した」
「加湿器見てみたらやっぱ若干色おかしいかも、何ヶ月も水継ぎ足して使ってたらカビる?」

冬場活躍する家電製品の一つである加湿器。気温が低い冬は、湿度を上げることで体感温度が上がることが実験でも証明されていますが、一方で掃除など手入れにまつわる恐ろしい投稿がX(旧Twitter)に出回る季節でもあります。

確かに「掃除が面倒」である加湿器は、「どれくらいの頻度で掃除が必要?」「タンクの水はつぎ足して使っていいの?」など、その取り扱いは気になることがたくさん。加湿器を上手に使うために、何を注意すべきかパナソニックの担当者の方に話を伺いました。

タンクの掃除をしないまま放置すると、レジオネラ菌の温床に?!

「加湿器の手入れを怠ると、カビ(真菌)が生えると気にされる方が多いですが、それだけじゃないんです。ほかにも細菌や、昨年話題となった『レジオネラ菌』が繁殖する可能性も!」

厚生労働省のウェブサイトによると、レジオネラ菌は以下のように紹介されており、どこにでも存在する菌だとされています。 『レジオネラ属菌とは、自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している細菌で、感染するとレジオネラ症を引き起こします。レジオネラ属菌は現在までにおよそ60種類が知られており、その中でも、レジオネラ・ニューモフィラは、レジオネラ肺炎を引き起こす代表的なレジオネラ属菌の1種とされています』
『感染してレジオネラ症が発症する場合、主な病型として、レジオネラ肺炎=重症、ポンティアック熱=軽症の2つが知られています』
①レジオネラ肺炎 全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるようになります。まれですが、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。また、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢ちゅうすう神経しんけい系の症状や、下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴とされています。軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
②ポンティアック熱 突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、またそれらは一過性のもので、自然に治癒します。
(:(出典:厚生労働省ウェブサイトより)

加湿器のタンクは毎日掃除して!

ーーレジオネラ菌といえば、昨年老舗温泉旅館の温泉から検出されて問題になった記憶がありますが、加湿器に使うのは殺菌されている水道水。でも掃除を怠ると繁殖するんですか?

「はい、水道水にも微量ですがカリウムやナトリウムといったミネラル成分も含まれているため、放っておくと汚れとして蓄積されて、そこから繁殖する可能性があります。もちろんカビ(真菌)やほかの細菌も同様に繁殖します。なので、掃除は必須です」

ーー掃除していない加湿器を開けると……カビがびっしり生えていた!というような話は、よく耳にします。レジオネラ菌によって肺炎になることもあるようなので抵抗力の弱い高齢者や幼児がいる家は、特に注意が必要ですね

「過剰に怖がる必要はありませんが、でも加湿機に繁殖したレジオネラ菌が原因で、実際に集団感染が起こったケースもありますから、気を付けていただくにこしたことはありません」

ーー集団感染は怖い!!!

「タンク内でレジオネラ菌が増殖すると、粒径の大きな水分と加湿された空気と共に放出されて、室内に広がってしまうんです」

ーー加湿器の掃除が面倒で、つい掃除を後回しにしがちですが……本来はどれぐらいの頻度でタンク掃除をすべきでしょうか?

「残念ながら、毎日です! タンクは毎日の水の交換と水洗いが必要不可欠です。また、月に一度はトレーの水洗いやフィルターのお手入れもしましょう。加湿器の種類や温度などの条件によっても異なるとはいえ、やはり日常的なお手入れは欠かせません。

万が一、汚れやヌメリ、ニオイが気になる場合は、加湿機用洗剤やクエン酸を使って洗浄するのがお勧めです。さらに、タンクに残った前日の水も翌日に使い回したりせず、新しい水道水に入れ替えるようにしてください。例えば、出張などで家を不在にして使わない時は、必ず水を抜いて、タンクを乾燥させておいてください」

ーーええ!毎日ですか……。タンクって掃除しにくく、面倒って思ってしまいます

「分かります。ですから、加湿器選びが重要となってきます。タンクなど部品の取り外しがしやすいことや、凹凸が少なく洗いやすい形状など、ご自身が『手入れがラクだな』と思うものをしっかり選ぶことがポイントです。ちなみに、弊社のタンクは手首まですっぽり入る広口タイプなので、しっかり奥まで洗える仕様となっております」

タンクの中まで手を入れて洗えるのは、とても便利! 手入れのしやし形状って大事です(画像提供:パナソニック)
いろいろなパーツを洗える機種は、清潔に保てるのでお勧めです。製品を選ぶときは「洗える」というのも選択基準の一つ(画像提供:パナソニック)

タンクの手入れの大切さを知ると、手入れのしやすさも加湿器選びの判断基準の一つになると実感します。まだまだ風邪もコロナも気になる季節ゆえに、加湿器を上手に使いたいもの。

ナノイー搭載でクリーンに加湿

今回取材に対応してくださったパナソニックの担当者がお勧めの加湿器は「FE-KXW07」。独自のナノイーを搭載し、お肌の水分量アップや、加湿フィルターを清潔に保つことができるそうです。消費電力の少ない気化式にDCモーター(電力をより効率的にパワーに変換できるモーター)を搭載、節電しつつもパワフルに加湿できるといいます。また気化式のため、吹き出し口が熱くならず、小さなお子さまがいる家庭でも安心して使えます。

筆者が気になっている気化式のパナソニックの「FE-KXW07」。実は、菌は自分より小さな粒子には乗ることができないため、気化式の加湿器の場合、水蒸気の粒子がごく小さいので菌が乗れず、空気中に放出されづらいという報告もあるそう(画像提供:パナソニック)

パナソニック
https://panasonic.jp/kashitsu/products.html

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)

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