【新健康スローガン】総参加で達成目指そう(2月15日)

 県は健康長寿の実現に向けて「減塩」「禁煙」「脱肥満」を重点に掲げ、県民総参加型の事業を推進する。都道府県別の健康指標で、下位にある項目に着眼し、大幅改善を目指す。健康は根気強い実践が伴わないと成果は見込めない。意識の醸成とともに、継続的な運動に結びつける工夫が大切だ。

 県の健康づくり施策の指針となる「第3次健康ふくしま21計画」は2024(令和6)年度にスタートする。2035年まで12年間の計画の手始めとして「みんなでチャレンジ! 減塩・禁煙・脱肥満」の三つを強く意識づけたスローガンを掲げた。

 各重点項目をみると、減塩では、本県の食塩摂取率は男女ともにワースト2位、喫煙率は男性が1位、女性が2位となっている。脱肥満では、国が調査している体格指数(BMI)で、肥満者とされる25以上の割合が男性がワースト6位、女性が4位。メタボリック症候群の割合は2割近くに達し、ワースト4位に低迷している。

 健康指標の改善に向けて、県はスマートフォン「ふくしま健民アプリ」を活用したウオーキング大会を開催する。毎月1.11.21日を「ふくしまウオーキングデイ」と位置づけ、歩数に応じてポイントを付与するなど、参加したくなる作戦を進めるという。

 「ふくしま健民アプリ」は過去に県内各地を旅できるウオーキング企画が人気だった。楽しみながら、知らず知らずのうちに健康な体づくりができれば理想的だろう。

 健康指標の改善には、どれだけ多くの県民が参加してくれるかが大きな鍵を握っているといえる。そうした意味では、新年度に設立される新会議体に注目したい。

 県と民間企業、団体が連携して減塩を推進するが、食品メーカーや小売り・流通業、飲食チェーンなど59社が加盟している県食育応援企業団や食品関係の業界団体の参加が想定されている。市町村も加わるほか、産学官連携も視野に入れており、幅広い展開に期待したい。

 さらに、県は「ふくしまおいしく減塩緊急対策事業」と銘打って減塩してもおいしさが保てる食事の研究を始める。豊かな食文化を誇る本県には、大きな可能性があるのではないか。(安斎康史)

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