米景気回復は力強い、英・日とは異なる道歩む=NEC委員長

[ワシントン 15日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のブレイナード委員長は15日、米経済はファンダメンタルズの回復で個人消費が支えられており、景気後退に陥った英国と日本とは異なる道を歩むとの認識を示した。

米企業エコノミスト協会(NABE)で記者団に、米経済の継続的な成長は途上国を含め世界経済の支援に寄与すると発言。また、「インフレ率は急速に低下しており、今後はかなり緩やかな状況になると予想される」と述べた。

ブレイナード氏は、バイデン政権がインフラとクリーンエネルギーへの支出を拡大し、これが企業投資の促進につながっていると分析。「労働力の拡大と生産性の向上などの要因が長期的で持続的な成長を支援する」と述べた。

また、政権の投資促進策を評価し、これにより昨年広がっていた景気後退入り予想が現実とならなかったと指摘した。

消費者が日々の暮らしの中での価格高騰にうんざりしている現状は認め、政府が今後商品の中身を減らしたりする「実質値上げ」や一部サービスにおける手数料について対策を講じる方針を示した。

15日発表された1月の小売売上高が前月比0.8%減と予想(0.1%減)以上の大幅な落ち込みとなったことについては、直接言及しなかった。ただ、消費者は購入により慎重になっており、これが一部の価格引き下げにつながったとの認識を示した。

米経済の現状については、1年前の予測よりも健全な状態にあり、過去の景気回復サイクルの同じ段階よりも強いと言及。経済成長とインフレを巡る情勢は他のどの先進国よりも良好だと語った。

昨年は約3%の成長率を達成する一方でインフレ率は低下、失業率は2年にわたり4%を下回り1960年代以降で最長となっている。

ブレイナード氏は「歴史的にみて、力強い成長と安定的な低失業率という状況でインフレ率がこれほど急速に低下したことはない」と述べた。

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