南砺に自然共生空間 第一交易と市、桜ケ池に26年秋開業

エコビレッジフィールドの短期居住とにぎわいエリアのイメージ図

  ●住居やカフェ、直売所

 南砺市立野原東の桜ケ池周辺の市有地に2026年秋、居住と交流を目的にした「桜ケ池エコビレッジフィールド(仮称)」が整備される。建設業の第一交易(同市)と市が15日、計画を発表した。同池周辺は、小矢部市ゆかりのゴールドウイン(東京)が同年に自然体験施設「プレイアースパーク」の開業を予定し、人と自然が共生したまちづくりを目指す。

 田中幹夫市長、第一交易の西能徹社長、西能立(たつる)取締役が市役所で記者会見した。

 計画では、第一交易が8月に東海北陸自動車道城端スマートインターチェンジ東側の市有地9千平方メートルを取得。敷地を3つのエリアに分け、6~8世帯が生活できる賃貸住宅・アパート(短期居住エリア)と3~5区画の住宅分譲地(長期居住エリア)、芝生広場やカフェ・直売所(にぎわいエリア)を整備する。来年春、造成工事に着手し、26年秋の開業を目指す。

 分譲地では、平屋建ての住宅を建設する予定で、賃貸住宅は県産材使用や木質ペレットストーブなどの導入を検討する。にぎわいエリアで季節に合わせた自然体験を提供する。食料備蓄など地域の防災拠点も目指す。総事業費は未定。

 市有地以外にグループ会社が農地を取得し、イチゴ、モモ、ブドウ栽培の農業に参入する。加工品や地元産品をカフェや直売所で販売して6次産業化を目指す。

 市は2013年にエコビレッジ構想を策定し、桜ケ池周辺を自然と南砺の暮らしを楽しめるモデル地域とした。第一交易とは2月に事業の基本協定を締結した。

 記者会見で西能社長は「10年前から構想を温めていた。地元に根ざし、市の発展に貢献を目指す」と意欲を示し、田中市長は「構想の居住部分の中心になる。周辺の農家や市民が集うエリアになってほしい」と期待した。

桜ケ池エコビレッジフィールド計画に意欲を示す(右から)田中市長、西能社長、西能立取締役=南砺市役所

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