きっかけは安倍元総理銃撃事件 強度は"防弾ガラス"並み…演説者を守る「防護選挙カー」完成 人が入れる透明ボックスを車の上に装備

選挙カーのレンタル事業を全国で展開する会社が、国内でも珍しい選挙カーを完成させました。その名も「防護選挙カー」。車の上に、伸縮する透明なボックスを設置したもので、透明な板の素材は防弾ガラス並みの強度とのこと。
背景には、安倍元総理の銃撃事件がありました。

小林健和 キャスター
「おお~、ぐんぐんあがってきました!」

上へと上がっていく透明な天井。

車のボディには、「選挙レンタカー」の文字が書いてあります。

この車の正体は…

イシバシホールディングス 石橋浩一 社長
「防護選挙カーといいます」

透明なボックスが車の上に取り付けられた選挙カー、その名も「防護選挙カー」です。

透明な板は、特殊な素材でできていて中に入る人を守ってくれるといいます。

イシバシホールディングス 石橋浩一 社長
「アクリルの素材だけではなく、特殊な素材のシートが張り付けてあって、防弾ガラス並みな強度があります」

鳥取県米子市の会社「イシバシホールディングス」。

選挙カーの保有台数100台と、国内最大規模で選挙カーを保有し、全国でレンタル事業を展開しています。

2023年12月、この車を完成させました。

これまでに、国政選挙で選挙カーを貸し出すことが多かったこちらの会社。

参議院選挙の応援演説をしていた安倍元総理が銃撃された事件や、衆議院の補欠選挙の応援に訪れていた岸田総理の近くに爆発物が投げ込まれた事件などを受けて防護選挙カーを作ったということです。

イシバシホールディングス 石橋浩一 社長
「通常、選挙というのはやはり親しみやすさというものが重要視されるので、地方の国会議員では普通の登壇の選挙カーに乗っていただいて、要人が来られた時、首相および現職の大臣等のSPが非常に多く来られる場合にこれを使っていただく形」

実際に中はどうなっているのか、入ってみると…

小林健和 キャスター
「まだせりあがっていないので、この状況だとすぐ上に天井があるので立つことはできないです。ここからどれだけせりあがっていくの見てみようと思います」

合図と同時にぐんぐんあがっていく天井。

ものの20秒ほどで防護板に囲まれた、高さ約2メートル、大人5人が入れるほどのスペースが完成しました。

車体とあわせると4.5メートルほどの高さです。

ボックスの中からですが、外に声は届くのでしょうか?

小林健和 キャスター
「私の声がしっかりと皆さんに届いているかどうか、届いていればこれはばっちりです。みなさんどうですか?届いている?届いてる!バッチリです!」

通常の選挙カーの上では無防備になりやすいことから、今後の選挙などで活用してほしいとしています。

イシバシホールディングス 石橋浩一 社長
「ある程度の狙撃に対応できる防護板がついているので、やはり党の要人の方にぜひ使っていただいて喜んでいただきたいです」

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