新文化施設建設地 長崎市「市庁舎跡地が最適」 4候補地を検討、年度内に決定へ

新たな文化施設の候補地について発言する委員ら=長崎市魚の町、市民会館

 長崎市が計画する新たな文化施設の建設地について、市は15日、市庁舎跡地(桜町)が「最適」との評価を明らかにした。年度内に正式決定する方針。昨年6月、鈴木史朗市長が建設地の再考を表明し再検討してきたが、従来の案に落ち着く公算が大きくなった。
 市の文化施策を議論する「文化振興審議会」と、市中心部の将来像を話し合う「都心まちづくり構想検討委員会」の合同会合で示した。
 文化施設を巡っては昨年策定した基本計画で市庁舎跡地での建設を予定していたが、昨年6月に鈴木市長が再考を表明。10月に開かれた前回の合同会合で、市中心部の公用地のうち県営常盤駐車場と常盤南駐車場(常盤町)、中部下水処理場(茂里町)跡地を加えた四つの候補地から建設地を再検討するとしていた。
 15日の会合で市は、▽着工可能時期▽利便性▽周辺地域やまちなかへの波及効果-など、施設の建設・利用とまちづくり双方の視点から各候補地の評価を公表した。
 それによると、二つの県営駐車場は、高さ制限や津波などによる浸水の恐れがあるため施設の設置は困難。中部下水処理場は、軟弱地盤と地下構造物対策工事に約10億円の費用が必要になる。一方、市庁舎跡地は土地の高低差はあるものの財政面、利便性、波及効果などから「最適」と判断された。
 これに対し、委員から反対意見は出なかったものの「時間を取っただけ」「これ以上遅れない計画を」との意見が相次いだ。片江伸一郎まちづくり部長は「(これまでは)市全体の(候補地の)検証はしなかった。広く市民の目に触れる形で検討し、改めての結論」と説明した。

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