デフレ脱却宣言するか、確たること決まってない=鈴木財務相

Shinichi Uchida

[東京 16日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は16日の衆院財務金融委員会で、日銀の金融政策変更とデフレ脱却判断の関係について「政府としてデフレ脱却がマイナス金利解除に連動するかどうかはコメントできない」と述べた。政府がデフレ脱却宣言をするのかは「いまのところ確たることは決まっていないと承知している」と語った。野田佳彦委員(立憲)の質問に答えた。

鈴木財務相は、日銀による経済状況の判断や金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきだとの考えをあらためて示し、「マイナス金利解除など金融政策が変更されたことをもって、政府として直ちにデフレ脱却と判断するというものではない」とも言及した。

岸田政権は昨年11月にまとめた「デフレ完全脱却のための総合経済対策」で、24年夏の段階で賃上げと所得減税を合わせて国民所得の伸びが物価上昇を上回る状態を確実につくりたいとし、「そうすれば、デフレ脱却が見えてくる」と指摘。今回のチャンスを逃せば、デフレ脱却が難しくなるとも訴えた。

一方、鈴木財務相は為替動向に関し、為替相場は「市場でファンダメンタルズを反映して決められるが、急激な変動は好ましくない、安定的な変動は好ましい」と述べた。その上で「為替市場の動向を極めて緊張感を持ってみている」と語った。

鈴木財務相は、年初から為替相場は円安方向に進んでいるとの認識を示し、円安にはプラスの面、マイナスの面があると指摘した。その上で、国民にとって重要な物価高の問題を踏まえると「マイナスの方にすごく懸念を持っているところだ」と話した。

*発言内容を追加しました

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