Terje Solsvik
[オスロ 15日 ロイター] - ノルウェー中央銀行のバーチェ総裁は15日の年次講演会で、経済が予想通りに推移すれば追加利上げは行わないと述べた。利下げ開始の時期については言及を控えた。
インフレ率が今後数年で目標の2%前後に向けて徐々に低下し、失業者はやや増加するとの見通しも示した。
中銀は先月、政策金利を4.50%で据え置き、しばらくは金利をこの水準で維持する可能性が高いと表明。必要であれば追加利上げがあり得るとも述べていた。
総裁は講演で中銀のインフレ目標に対する信認を維持する必要性を強調。「インフレは低下している」と述べた。
アナリストは年内の利下げを予想。利下げ時期は米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の利下げ後になるとの見方が多い。
総裁はノルウェークローネが近年、主要国通貨に対して下落していることが、物価上昇要因になっていると指摘。主要貿易相手国の金利が大幅に上昇したことが通貨安の一因だとの見方を示した。
「自由な資本移動と貿易相手国と同じインフレ目標を踏まえると、国内金利水準を長期にわたって海外の水準から大幅に乖離させることはできない」と述べた。
また「インフレ率が目標を著しく上回る中、中銀の責務として現状では雇用にもかなりのウエートを置かなければならないと考えている」とも発言した。
為替介入については、せいぜいのところ短期的な効果しかないとの従来の中銀の見解を改めて示した。