「猫の日」の22日を前に、兵庫県西宮市の酒造会社辰馬本家酒造が16日、「黒松白鹿ネコダスケ特別純米山田錦」の限定販売を始めた。猫を愛らしく描いたオリジナルラベルが特徴で、売り上げの一部が野良猫の保護活動に充てられる。
猫好きの同社商品企画部田中美紗さん(41)が考案し、2022年から猫の日に合わせて毎年販売している。ラベルは保護猫の書籍を出版しているイラストレーターのオキエイコさんが担当。木升の中で楽しそうにしている4匹を優しい色合いで描いた。
幼い頃から猫に囲まれて育ったという田中さん。不妊去勢手術を受けていない野良猫が殺処分されることに心を痛め、5年前から自身でも保護猫3匹を飼うようになった。ただ個人で救える命には限りがあり、「企業として何かできないか」と考えたという。
猫の日の語呂合わせにちなみ、720ミリリットル入りで2222円。兵庫県産の山田錦を100%使い、すっきりとした飲み口の中にうまみとこくが感じられる味わいに仕上げた。オンラインショップと直営店「白鹿クラシックス」(西宮市鞍掛町)で限定600本を販売し、売り上げ1本につき222円を西宮市の動物愛護基金に寄付する。
23年は450本を売り上げ、約10万円を寄付したという。田中さんは「飲んだり、飾ったりして楽しみながら、さりげなく猫を助けられるお酒。気軽な気持ちで手に取ってもらえるとうれしい」と話していた。白鹿お客様相談室TEL0798.32.2727 (地道優樹)