「トップにふさわしくない」 兵庫・三田市長リコールへ市民団体が発足 病院再編統合巡る選挙公約を白紙撤回

田村克也市長

 三田市民病院(兵庫県三田市)と済生会兵庫県病院(神戸市北区)の再編統合問題で選挙公約の「白紙撤回」を翻すなど、トップにふさわしくないとして、三田市の田村克也市長のリコール(解職請求)に向けた市民団体「『田村市長にNO』の会」が16日、発足した。現時点で約50人が参加しているという。

 市民病院を巡っては、前市長時代に再編統合方針が決定。市境に近い神戸市側で2028年度の開院を目指していた。田村市長は再編統合に反対する市民有志らの候補者公募に応じて23年7月の三田市長選に立候補し、「神戸移転の白紙撤回」などを訴えて初当選した。

 だが、就任後は市民病院の医療体制について「ここまで切迫した状況とは知り得なかった」と話すなど主張を後退させ、11月に再編計画の再開を表明した。

 三田市選挙管理委員会によると、リコールには1カ月間で選挙人名簿登録者数の3分の1以上の署名を集める必要がある。

 同市内で会見した同会の室谷啓一代表(76)は「信頼関係は地に落ちている。署名活動を展開する時期は今後決めたい」と話した。(橋本 薫)

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