「危機感をもってやらないとまずい」25年で人口14万人減の予想…子育て世代の要望に応える新年度予算案を発表=静岡市 

「静岡市を子育てしやすい街に」。新たなプロジェクトが動き出します。人口減少に悩む静岡市は、過去最大となる2024年予算案を編成、目玉政策に子育て世代の要望に応える政策を打ち出しました。

【写真を見る】「危機感をもってやらないとまずい」25年で人口14万人減の予想…子育て世代の要望に応える新年度予算案を発表=静岡市

静岡市清水区の中山間地にたたずむ清水西河内小学校。2022年閉校したこの施設が生まれ変わろうとしています。

<静岡市子ども未来課 佐野千夏主任主事>
「こちらの体育館を使って、子どもの屋内の遊び場を整備します」

静岡市が計画しているのは子どもの遊び場を増やす政策。子育て世代が求めていた雨の日でも利用できる屋内の遊び場を造ろうとしています。

<静岡市子ども未来課 佐野千夏主任主事>
「真ん中の緑のネットで区切って2か所のエリアにします。奥側をバレーボールやバスケットボールなど身体を大きく使って遊べるスペースにしていく。手前側はボールプールなど簡易な遊具を使って小さいお子さんでも遊べるスペースにします」

多目的室には、絵本などを置き、0歳児も過ごせる施設に。2024年5月のオープンを目指しています。

<静岡市 難波喬司市長>
「新時代のはじまり予算ですかね、人口減少に対する対応もまだまだ最初の1歩、転換のためのはじまり予算」

難波市長が2月15日発表した2024年度の当初予算案は、一般会計で3,534億6,000万円と過去最大の規模。このお金を使って解決すべきと強調したのが、人口減少問題です。静岡市の人口は現在の68万人から、2050年に54万6,000人ほどまで減ると推計されています。これは国内20の政令市で最下位。厳しい見通しが示されています。

<静岡市 難波喬司市長>
「とんでもない人口減少が起きてしまうという、本当に危機感をもってやらないとまずい」

そこで、重点政策に掲げたのが子育て支援の充実です。市は、2024年度の当初予算に、屋内の遊び場を新たに3か所整備するため、5,300万円を充てました。

さらに市が着目したのは、アクセスの良い駅前の商店街です。清水駅前銀座商店街と協力して、アーケード下の空間で子育て関連のイベントを開いたり、空き店舗を活用した遊び場を設置する計画です。

<清水駅前銀座商店街 松岡夏樹理事長>
「僕も親なので小さな子どもがいるが、頭を使った遊びや体を使った遊びや、人と人が触れ合うような心も動くような遊び場が出来ればいいなと思っています」

清水駅前銀座商店街を活用した遊び場は、2024年8月からオープンする予定です。

<静岡市 難波喬司市長>
「いままでのような市が予算をつけて事業を実施するのではなく、アーケードや空き家を、社会にある財産を活用していく。少ない費用で大きな効果を早く実現していくのに徹底的にこだわった」

<井手春希キャスター>
子育て以外でも静岡市には気になる事業がいくつかありますが、どのくらいの予算がついていますか。

<坪内明美記者>
東静岡地区のアリーナやまちづくりの検討には、あわせて6,000万円が充てられました。プロ野球ファームリーグに今季から参戦する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の誕生で注目されている清水庵原球場の改修には、2億3,700万円が計上されています。そして、2年後のオープンを目指す清水区の海洋文化施設には11億円以上が盛り込まれています。

ただ、東静岡地区の事業は具体的な将来像が固まっていません。この事業を難波市長は「投資」だと話していますが市民にとって有益なものになるよう予算を使って欲しいと思います。

© 静岡放送株式会社