「縁起がいい!」タヌキだらけの無人駅で“勝負運”アップ⁉ローカル鉄道が社運懸けたプロジェクト進行中

まだまだ、受験シーズンは続きますが、「勝負ごとにどうしても勝ちたい!」という人にオススメの新たな開運スポットが静岡県島田市に誕生しました。手掛けたのは、無人駅のリニューアルに力を入れる大井川鉄道。山あいの駅に縁起がよくてかわいらしい動物が大集合しています。

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<大井川鉄道 山本豊福さん>
「ご覧ください」

<島田支局 篠原大和記者>
「タヌキいっぱいいますね」

<大井川鉄道 山本豊福さん>
「神尾駅は駅員ならぬ、タヌキが守ってくれている駅なんです」

大井川鉄道の金谷駅から電車で約20分。山あいの無人駅、神尾駅には、タヌキの置物がずらりとならんでいます。その数、およそ70体。このタヌキに囲まれた駅で大井川鉄道の社運を賭けた一大プロジェクトが進んでいました。

<大井川鉄道 山本豊福さん>
「神尾駅をタヌキの駅の聖地として売っていきたい。タヌキ、『他を抜く』。他の人を抜く、ということで縁起がいい、パワーをもらえる動物なんです。名付けて『神尾駅たぬき駅化計画』」

地元の住民以外、ほとんど訪れる人がいない無人駅を新たな観光資源に変えようというのです。背景にあるのは、赤字が続く苦しい経営状況です。

大井川鉄道の本線は2022年の台風災害によって、大きなダメージを受けて現在も一部で運休が続いています。コロナ禍で削られた経営体力に災害が追い打ちをかけるなか、目をつけたのが「無人駅」でした。

大井川鉄道は4年前、無人駅の「五和(ごか)駅」を「合格駅」に改称。合格祈願のスポットとして人出を大幅に増やした実績があります。

<大井川鉄道 山本豊福さん>
「ただ、厳しいと言っているだけではよくない。いまある資源を有効に活用して、いま乗れる区間で盛り上げて、1人でも多くの人に鉄道を利用してもらおうという思い」

合格駅に続く、新たなパワースポットを目指す神尾駅。駅名標はゴージャスな金色に一新。金谷駅と神尾駅の間が1日乗り放題になる「開運たぬきっぷ」の販売も始めました。さらに、こんな楽しみもあります。

<大井川鉄道 山本豊福さん>
「たくさんあるタヌキの中に、1体だけ『ゴールデンたぬき』があるんですよ。ぜひ探してみてください」

記者が探してみると…。

<島田支局 篠原大和記者>
「あ、あちらにものすごく光り輝くタヌキがいます」

金色の「ゴールデンたぬき」を見ると、ものすごく運が強くなる!…かもしれないということです。

<訪れた人>
「無人駅ですけど、とっても楽しい駅だと思う。もっとタヌキがいっぱいになって楽しくなったらいい」

タヌキの駅になった神尾駅の次は、どの無人駅がどんな姿に変わるのか。大井川鉄道のプロジェクトは始まったばかりです。

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