[モスクワ 16日 ロイター] - ロシア中央銀行は16日、政策金利を16%に据え置いた。インフレへの警戒を維持し、引き締めの長期維持が必要との認識を示した。
中銀は昨年12月の前回会合まで5回連続で利上げしていた。
今回、中銀は、インフレが昨秋の高水準から鈍化したもののインフレ圧力は依然高いとし、今年、インフレ率が4%の目標まで下がるには「引き締め環境が長期にわたり」必要になると述べた。
アナリストはおおむね中銀の見解を中立と受け止めた。ナビウリナ総裁は、中銀は利上げも検討していたが、利上げを見送るコンセンサスが形成され、最初の利下げは2024年後半になりそうだと述べた。
中銀は内需は依然として生産能力を上回っていると指摘。インフレリスクは引き続き中期的に上向きとした。
ロシア中銀は、昨年7月以降、合計8.5%ポイント利上げした。
今週ロイターがまとめた調査では、きょうの決定は据え置きが予想されていた。また二桁の政策金利が2025年まで続くとの見方が示された。
次回会合は3月22日。
ナビウリナ総裁は自身の健康状態に関する質問に対してコメントを控えた。総裁は今週に入るまで約1カ月間、理由を明かさずに公の場に姿を現していなかったため、入院しているのではないかという憶測が飛び交っていた。
<金利予想を引き上げ>
中銀は平均政策金利予想を12.5─14.5%から13.5─15.5%に引き上げ、利下げ時期の後ずれを示唆した。
プーチン大統領は、中銀の利上げは一時的なもので、インフレとともに低下することを望むと述べた。ロシア国営タス通信が報じた。
今年の成長率予想は0.5─1.5%から1.0─2.0%に上方修正した。国際通貨基金(IMF)の予測は2.6%。
ロシア経済は22年の落ち込みから急回復したものの、成長のけん引役は公的資金を投入した武器弾薬生産で、経済は市民生活の改善を阻む問題を抱えている。
ロシア国立研究大学高等経済学院のエフゲニー・コーガン教授は「引き締め政策と並行して成長予想を引き上げるのは非常に楽観的だ。これ以上の利上げはないだろうが、中銀は16%を長期維持するつもりだ」と述べた。