着任前の教職員に小学校で「事前研修」 背景には「欠員」…学校現場で課題の人手不足も 新任予定者の不安を減らす取り組み

長時間勤務や休日出勤などから"ブラック職場"とも言われる学校現場。島根県では、この春、教員として採用される人を対象に、不安を減らす取り組みとして事前研修が行われています。

教職員の採用予定者に「なぜ教員になろうと思ったのか」を聞いてみると…

島根県新規教職員採用予定者
「憧れの先生がいたので、その先生のようになりたいと思って、教師を目指しました」

島根県新規教職員採用予定者
「両親が学校の先生で、両親にずっと憧れを抱いていたので、自分も両親のような小学校の先生になりたいと思い、小学校の先生になろうと決めました」

島根県新規教職員採用予定者
「小学生だった時の担任の先生が、自分のことをすごく褒めて伸ばしてくれる先生で、私も、人のいいところを見つけるところが得意なので、それを子ども達に次は褒めて伸ばしたいと思い、先生を目指しました」

自分が関わった先生に憧れ、教師を目指す若者たち。

島根県では、この春、公立学校の教職員として採用される人を対象に事前研修を行っています。

この日は、小学校の教員となる約80人が参加。

まずは、教員歴約30年のベテラン先生から、励ましのメッセージを受けとりました。

島根県で勤務する先輩教員
「皆さん方が、小学校の教員になりたいと思った部分というのが、ちゃんと学校には、教育には生き続けてますから、安心して入ってください」

長時間勤務や休日出勤などから"ブラック職場"とも言われる学校現場。

しかし、子どもの成長を間近で感じる喜び、醍醐味を忘れないでほしいと、ベテラン教師は伝えました。

島根県で勤務する先輩教員
「もの(文具など)は、学校に行って、職員室とかの様子を見たり、先生方に聞いたりして、学校に着任した週の土日に100円ショップに行くと、いろいろ分かって買えます」

教員歴10年未満の20代の先輩先生から、具体的なアドバイスも。

島根県で勤務する先輩教員
「がっつり、60分休憩というのは、正直ないけど」

島根県で勤務する先輩教員
「4月、一番最初、何からし始めたらいいのかとか、何が大事かというところが、本当に分からないところだと思うので、それが少しでも伝えられたらいいなと思います」

さらに、島根県では今年から、実際に学校での勤務経験がない新卒者などを対象に、学校現場での事前研修も始めました。

島根県教育庁学校企画課 村上修司 調整監
「新卒者は、教育実習から採用まで、非常に長期間、学校現場から離れています。実際に先生の授業を観て、そこを補助する形もとることで、4月からの学校現場にスムーズに入れるのではないかと」

島根県は、2023年11月1日時点で、教員の欠員数が44人となっています。

公立学校の教職員は、2024年度、288人の採用が決まっていますが、教員の確保は、引き続きの課題となります。

新規採用者の不安を減らす取り組みに、参加者はどう感じたのでしょうか?

採用前現場実習の参加者
「実際、自分が担任を持った時に、どのようなことができるか、先生方もいろんなアドバイスをしていただけるので、そういった意見を活かして、実際に自分が教員になった時にどのような行動をしようか考えました」

学校勤務のイメージをより具体的にし、教員生活の第一歩をスムーズに踏み出すための事前研修。

参加した人は、「憧れの先生になる」という思いをより強くしていました。

採用前現場実習の参加者
「実習先の先生に良い影響をもらったので、自分も子ども達にいい影響を与えられるような先生になりたいです」

採用前現場実習の参加者
「報道とかを見て、労働時間とかに関する不安はありますが、子どもと関わりたいとか、教育実習とかでも抱いた"楽しい"という感情を持って、頑張りたいと思います」

© 株式会社山陰放送