元力士の絆で実現! 小鹿野で「雷部屋」が合宿イベント 雷師匠「6月までに番付上げ、喜ばせたい」

宮本一輝さん(左から1人目)、雷徹さん(同2人目)、獅司関(同4人目)が、森真太郎町長にイベント合宿開催の決定を報告した=9日、埼玉県小鹿野町役場

 相撲部屋「雷部屋」(埼玉県さいたま市中央区)が6月に、小鹿野町長留のレジャー施設「秩父ふるさと村」で合宿イベントを開催することが決まった。期間は約10日間。施設内に屋根付きの土俵を設置し、町民らが稽古の様子を自由に見学できる環境を整える。

 9日に、雷部屋師匠の雷徹さん(元小結・垣添)、ウクライナ出身で同部屋十両力士の獅司(しし)関、同施設を運営する宮本荘グループ代表で元幕内力士・剣武(つるぎだけ)の宮本一輝さんらが町役場を訪れ、森真太郎町長に開催報告を行った。

 雷師匠と同町出身の宮本さんは、日本体育大学出身の力士として相撲界で活躍した同級生。現在も親交が深く、昨年6月には雷部屋の所属力士が町立小鹿野小学校などを訪問し、子どもたちと相撲や記念撮影で交流した。

 今回の合宿イベントでも、子どもたちとの交流会を開催する。現在、小中学生対象の相撲大会を計画中で、日本相撲協会からメダルや賞品の提供を受ける予定。

 宮本さんは「昨年の大相撲秩父場所は大いに盛り上がり、子どもたちも喜んでくれた。両国国技館での観戦はめったにできないので、この機会に相撲の魅力をさらに知ってほしい」と思いを語った。

 雷師匠は「以前から、自然豊かなこの地で合宿がしたいと考えていたが、こんなに早く実現できるとは思わなかった。6月までに力士たちが番付を上げ、皆さんを喜ばせたい」と話した。

 2020年3月に初土俵を踏んだ獅司関は、ウクライナ・ザポリージャ州メリトポリ出身。実家の両親は巡業日程を細かくチェックし、わが子の日本での活躍を誰よりも喜んでいるという。6月の合宿に向け、獅司関は「頑張ります」と意気込んだ。

 森町長は「旧友との絆で町の活性化に貢献してもらい、感謝したい。広報活動などに協力し、町を挙げて歓迎したい」と期待を込めた。

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