「良いゲームだった」野々村芳和チェアマンが川崎F制覇のスーパー杯に満足感「インテンシティもこの時期と考えると高かった」

試合を振り返った野々村芳和チェアマン[写真:©超ワールドサッカー]

Jリーグの野々村芳和チェアマンが、17日に国立競技場で行われたFUJIFILM SUPER CUP 2024の試合後に囲み取材に応じた。

2023シーズンJ1王者のヴィッセル神戸と天皇杯王者の川崎フロンターレがぶつかった一戦。神戸が昨シーズンの主力中心で臨んだ一方、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ったばかりの川崎Fは、スタメン総入れ替えでタイトル獲得を目指した。

試合は海外から日本へ戻ってきた新戦力DFファンウェルメスケルケン際が後半立ち上がりにセットプレーからゴールを決め、川崎Fが先制する展開に。その1点を守り切り、2021年以来3度目の大会制覇を果たした。

野々村チェアマンは今シーズンの幕開けとなる一戦について「(観客)5万2000人、スーパーカップだと3番目ぐらいかな。たくさんの人に来ていただいて、これでまた始まるなと思えたのは良かった」とコメント。盛況ぶりに満足感を示した。

一方、試合については両チームの戦いぶりをそれぞれ分析。若手の台頭を喜びつつ、今シーズンの展望も語っている。

「川崎Fはちょっと練習量があったりして、チームとしての全体のコンディションはすごく良かったんだと思いますけど、メンバーを入れ替えたりしながらも『この選手こんな良いプレーできるんだ』っていうようなプレーを見せてくれた若い選手もいたので、すごく良かった、良いゲームだったなという風に思います」

「神戸は去年のベースと新しい選手が少しずつ加わりながら、去年以上の良いシーズンを過ごしていくんだろうなという想像ができるようなゲームだったのかなと思っています」

「チャンスの数も多かったし、インテンシティもこの時期と考えると高かったのかなと思ったので、この両チームは今年もやっぱり上の方を争っていくだろうなという風に思いました」

この試合最大のトピックは、プロとして初めて日本で公式戦を戦い、いきなり決勝点を奪った川崎Fのファンウェルメスケルケン際。海外でキャリアを積んだ選手が日本に戻ってくることについて、神戸の元日本代表FW大迫勇也の名前も出しながら歓迎の意を示している。

「神戸が似たような(状況)。たとえば大迫選手とか何人かの選手が、海外でいろんな経験をして戻ってきて、日本に還元して、チームを強くするっていうような循環を、去年の優勝で、チームの作り方というか日本サッカーの今の在り方を見せてくれたようなところがある。今日の際選手も含めて、そういうのはきっと増えてくるんだろうなという風に思っています」

「日本だけでサッカーしているわけではないので、日本で育った選手が外に出てまた戻ってくるとか、その逆もまたどんどん起こってくるのがこの業界だと思うので、何らかの変化に繋がっていくと良いなと思います」

さらに、川崎FがACL直後でメンバーを大幅に入れ替えた点にも言及。選手層の厚さが見られたと高評価している。

「これでもし全くゲームのバランスが崩れてしまうというようなことがあると、それは1つのチームとして、クラブとして考えなければいけないことなのかもしれないですけど、今日のゲームに関して言うと、新しく出てくる若い選手とかが遜色なくこのレベルで十分できるという期待を持たせてくれた」

「それは川崎Fにとっても良かったし、Jリーグのトップレベルのクラブの安定感というか、レベルが少しずつ上がっているなというのは見せたと思うので、それはそれで1つの評価かなと思います」

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