全国高校選抜大会 卓球女子 九州王者になった明豊、自信を胸に8強入りを目指す 【大分県】

11月の卓球女子の県新人大会で団体戦、シングルス、ダブルス全てを制し、圧倒的強さを見せた明豊。続く全九州高校新人大会(全九州)では優勝候補の筆頭であった希望が丘(福岡)を初めて下し、初優勝を手にした。

出場校の実力が拮抗(きっこう)し、混戦となった全九州を勝ち抜き、長年のライバルである希望が丘を破ったことは選手たちにとって大きな自信となった。松本香織監督は「県大会で見えた技術的な課題をきっちり修正したこと、力のある男子中学生と練習して対応力を鍛えたことの成果が出た。相手に攻められても冷静に対処し、難局も強気で乗り切ることができた」と目を細める。

しかし、全国のレベルの高さは監督、選手ともに理解している。全九州で優勝したからといって慢心することはない。「今回の全九州は全体的にレベルが低かった。1月に、全国のトップ選手が集まる高体連の合宿にエースの阿部(愛未)が参加したが、実力は真ん中より少し下。全国で勝つためには力の底上げが必要になる」と松本監督は厳しい言葉を紡ぐ。

エースの阿部愛未

全国では単に「ボールを返す、打ち込む」だけでは点は取れない。ミスのリスクが高くなっても、より高度な攻撃を仕掛ける必要がある。そのために現在は、攻撃のバリエーション、打点、ピッチなど、さまざまな部分で「一球の質」を上げる練習に取り組んでいる。また、身長が低い選手が多いため、大きくボールを振られると崩れやすいのも悩みどころ。体力づくり、フットワークやスピードの強化も急務となる。

現チームは2年生2人、1年生3人の少数精鋭。中核を担うのは1年生で、特にエースの阿部は、県大会でシングルス、ダブルスともに優勝。全九州でも団体戦優勝の大きな原動力となった。もちろん、2年生2人も精神的にチームを支えている。キャプテンの小関蒼乃は「1年生が主力だが、私たち2年生が勝ってチームを勢いづけたい。団結力はどこにも負けない」、安里和華は「自分の持ち味であるカットマンのスタイルを崩さず、最後まで粘ってチームの勝利に貢献したい」と、それぞれ強い思いを持って大会に臨む。

中高一貫校のため、中学の頃から一緒に過ごしてきた選手が多く、絆が強い。たゆまぬ努力、団結力という大きな武器を手に、チーム一丸となって全国ベスト8を目指す。

初めて九州王者となった明豊

(甲斐理恵)

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